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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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1611/3912

1611:ブレーキの存在を確認しよう。

 もうちょっと偉い人の自覚を持ってくれとか言いたいところだけど、【妖精】が言ってもNPC相手だと殆どそのまま返って来るのが困りものだよなぁ……


 種族の設定的には上位(そう)なんだとしても、こっちの中身はただの一般人なんだから無茶を言わないでほしいよ。

 まぁこっちの世界の常識だと、私の方が無茶を言ってるのかもしれないけどさ。


 だとしても出来る限りの抵抗はしていきたい。

 あんまりというか全然出来てない気もするけど。



「だが安心するが良い」


「いや、別にどうでも……」


 また何か言い出したアリア様に、アヤメさんが嫌そうというか面倒そうというか微妙な顔してる。

 多分私も似た様な顔してるだろうけど。


「なんとこの靴下、こちらに魔力を流すと暖房の、反対側に流すと冷房の効果が有るのだ」


「……変な所で凄いですね」


 無駄にテンションの高いアリア様のセールストークに、やや呆れを隠せずにいるアヤメさん。


 いや、本当に何を頑張ってるんだ、このお姫様は。

 あの模様、ただの刺繍じゃなくて魔法陣だったのか。



「冷え性の人にはちょっと良いかもね」


「そうですね。締め付けも強くはなさそうですし」


 お姉ちゃんとレティさんは何を普通に感心してるんだ。

 いやまぁ確かに、それはそうかもしれないけどさ。



「そして当然、ロシェの分も用意してあるぞ。遠慮なく受け取るが良い」


「拒否権って有るのかな」


「無くも無いとは思いますけど、多分知らないうちにクローゼットとかに収まってたりするんじゃないですかね」


「だよねぇ」


「はっはっは」


 ……否定はしないんだな。


 まぁもう作っちゃってる以上、要らないって言われても困るだろうしね。

 例によってそれぞれにぴったりなサイズで作ってるだろうから、私に押し付ける訳にもいかないだろうし。




「さて」


 先程と同じ様にシルクに預けたアリア様、最後の袋の前で何やら思案してる様子。


「どうしたんですか?」


「何、少々時間が余ったので作ってみたは良いのだが……」


 アヤメさんの問いかけにも、ちょっと歯切れの悪い答えを返してる。

 アリア様にしてはかなり珍しい態度だな。



「流石に悪乗りが過ぎたというか、まず怒るであろうから封印しておくべきか迷ってな」


 いや迷わなくていいから封印しておいてくれないかな。

 何を作ったかは知らないけど、アリア様でさえ自重するって相当アレな品でしょ。


「まぁ押し付けなきゃ大丈夫じゃないですかね」


 こらアヤメさん、なんでちょっと気になってるんだ。

 そのまま闇に葬っておけば良いでしょうに。



「……うわぁ」


 袋の口を開いてみたアヤメさんの第一声がもう、完全に引いてる声なんだけど。

 中に何が入ってるんだよ。


 あ、引っ張り出して広げ……


「確かにこれはアウト寄りだな……」


「美しくはありますわね」


「スッケスケだねぇ……」


「……絶対に履きませんからね?」


 品目だけで見れば前にも貰った事は有るけど、手袋とかと同じでほぼ透明な生地じゃ「寄り」じゃなくて完全にアウトだよ。

 そんな履いてないも同然の品を出されても、突っ返すしか無いでしょうに。


 元々空を飛んでる関係で見えちゃう様な服装はしないけど、そういう問題じゃないからね。

 うん、無い無い。



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