1610:別の用途を聞かされよう。
「心配せずとも反対も用意してあるぞ」
「いや、そんな心配はしてませんけど」
言われなくても片方だけ作ったなんて思ってないよ。
袋がまだ少し膨らんでるのが見えてるしね。
「着けてみるか?」
「あー、いえ、このタイミングですしね」
「ふむ、それもそうだな」
どうせ一通りの用事を済ませたらお風呂入ってログアウトだし、試着の必要も無いと思うし。
アリア様の事だから、サイズも品質も完璧だろうからね。
それに装飾品って事は、服との兼ね合いも有るだろうしね。
その辺はシルクに丸投げで任せるけど。
よくわかんないし。
「という事でシルク、預かっておいてくれ」
もう片方も袋からずるっと取り出して、シルクに渡すアリア様。
……ちょっと扱いがぞんざいじゃない?
いや、案外頑丈で問題無いからなんだろうけどさ。
高級品を扱う手つきではないよね。
「それとこちらはロシェの分だ」
「えっ」
更にもう一組取り出してシルクに持たせるアリア様と、聞いてないんだけどって声を出すロシェさん。
うん、まぁそういうもんだと諦めた方が良いと思うよ。
遠慮しても良いではないかって押し切られるだけだし。
「さて、お次だが…… アヤメ、そちらを持ってくれ」
さっきと同じ様に広げられたのは……
あぁ、うん、オーバーニーソックスだね。
「まぁなんとなく予想は出来る流れですね」
「うむ。そして更になんとだな」
「はい?」
……変な物でも用意してあるのかな?
「寝袋に丁度良いサイズなのだ」
変な事の方だった。
確かに今のアリア様のサイズなら入れない事は無いと思うけどさ。
「あー…… とりあえず一つだけ言うなら、これじゃ流石に寒いですよね」
「うむ、そういった問題は有るだろうな」
そこじゃないアヤメさんって言いたいけど、まぁそれも間違いでは無さそうだな。
無いよりは少しだけマシって程度にしか熱を保ってくれそうにないし。
あと丁度良いって言っても、長さは大分余るよね。
上から踵まででも今のアリア様より長さが有るのに、更にそこから爪先までの部分が余ってるし。
あ、余った分を畳んだりすれば少しは熱も籠るかも。
……うん、どうでも良いな。
でも一番の問題は、そもそも靴下に入るなって事だと思うよ。




