1609:警戒心は維持しよう。
「で、それ何ですか?」
ひとまず一か所にまとめて置かれたところで、確認の問いかけを。
わざわざ私の所まで持ってくるって時点で、なんか嫌な予感しかしないんだけどね。
「なに、おかしな物ではない」
「わざわざそう言われると、余計に『本当かなぁ』って思うんですけど」
「はっはっは」
そんな「心配性だな白雪は」みたいな笑い方されても、過去に嫌ってほど実績を積んできてるじゃないか。
「物」自体はおかしくなくても、逆に良すぎる物だったりするしさ。
「では早速開けて見せて、不安を取り除いてやるとしよう」
「不安が的中しない事を祈りますよ」
いや、強情な奴めって笑いながらゴソゴソ引っ張り出してますけどね。
大体ツッコまされてるんだから仕方ないでしょ。
「アヤメ、そちらを持ってくれ」
なんだろう、何か細長い布が出てきた。
……案の定かなりお高そうな、繊細な絹製品っぽいのは見ないふりをしておこう。
「どうだ、良い出来だろう」
「……まぁはい、確かに綺麗ですね」
小さい横断幕みたいに二人がかりで広げられたのは、私の二の腕くらいまでありそうな白い薄手の長手袋だった。
薄手っていうか殆ど透けてるし、実際に付けたら肌色の方が強く見えるんじゃないかな?
……確かに綺麗だし良い物なんだろうけど、やっぱりパッとお出しされるにしては高級品過ぎるでしょ。




