1601:あまり意味の無い自戒をしよう。
「まー確かに、今のアヤメちゃんから見たら私たちなんて山みたいなもんだよねー」
「高さだけで言うならば、富士山やそれに次ぐ日本アルプスの山々と同等といったところですね」
「思ってたより大きかった」
お姉ちゃん、自分で言っておいて何ちょっと驚いてるんだ。
多分その辺によくあるというか、もうちょっと平凡な標高の山のイメージで言ったんだろうけどさ。
……というか言われてみればこのサイズ差、人間と富士山ってクラスの差なんだな。
確かに今のアヤメさん、二千分の一かそれ以上……以下?の小ささだもんなぁ。
百数十センチの普通の人間が、三千メートル以上のとんでもない巨人になる訳だ。
「てことはあれかー。飛行機とか新幹線に乗って遠くから眺めるくらいで丁度良いサイズって訳かー」
「全体を見ようとするなら、そういう事になりますね」
まぁうん、近いと一部しか視界に入らないだろうね。
ただお姉ちゃん、あんまり色々言ってると戻った後に怒られるというか、文句くらいは言われるかもしれないぞ。
「お待たせー」
「シルクちゃん、おいでおいでー」
テーブルを片付けに行ってたエリちゃんが戻ってきて、アヤメさんが居なくてフリーになってたシルクはお姉ちゃんに呼ばれて頭の上へ。
いや、アヤメさん居ない訳じゃないけどね。
「それでは、私たちはこれで失礼します」
「お疲れ様でしたー」
レティさんとお姉ちゃんが来てくれた人たちに挨拶をしてくれたので、一緒に頭を下げて手を振っておく。
……お姉ちゃん、シルクが乗ってるのに普通に会釈したから、ぽむぽむと頭を叩いての抗議を受けてるな。
まぁお疲れ様ーって言っても、どうせ大半は一緒についてくるんだろうけどね。
例によって家の前でもう一つイベントというか自殺行為が有るからね。
いつも通り私とカトリーヌさんの二人が照明係になって、寄り道せずに家に向かって真っすぐ進んでいく。
なんか気付いたら同行してるお姉さんたちにシェラとういろうちゃんが抱っこされてるけど、まぁ何も問題は無さそうだし気にしないでおこう。
ぴーちゃんもレティさんの肩の上でのんびりしてる事だしね。
「しかしまぁ、本当に大人しくしてる限りは便利な生き物だよねぇ」
「そうなんですよねぇ」
すぐ後ろについてきてるロシェさんにしみじみ言われた事に、頷きを返しておく。
実際、平和的に使うなら【妖精魔法】だけでも色々揃ってるし、そっちに無くても魔法を使えば大抵の事がどうとでもなるからね。
問題は【妖精】関係の仕様がどれもこれも平和的じゃないって事なんだよね。
……いや、それでも普通は無かった事にして、妖精らしく可愛く振舞うのかもしれないけど。
私は流され過ぎなんだよ、うん。
……自分で言うのもなんだけど、この反省が活かされる事は無いんだろうな。
どうせ「仕方ないか……」ってほいほい聞いちゃうんだよ。




