1592:お詫びに遊んでもらおう。
「よーしよし、よくやったぞー」
戻って来たういろうちゃん、首元をわしゃわしゃされてご満悦。
可愛いんだけどやってきた事はどうかと思うぞ。
いや、命令したのは飼い主だけど。
「大丈夫ですか?」
「むしろ心が痛ぇ」
「あー…… なんかすみません」
「いや、良いんだけどよ」
うん、まぁ解らないでもない。
可愛い生き物に唐突に攻撃されて、そのまま立ち去られてる訳だし。
「そんじゃお詫びも兼ねて、ちょっと撫でとく?」
「いや、別に」
「遠慮しなくて良いってー。ういろー、ごー」
「……人の話を聞けってんだ」
今度はもふりと柔らかく体当たりされたテツさん、まんざらでも無さそうな顔でういろうちゃんの喉をこりこりしてあげてる。
……これ、ういろうちゃん的には得しかしてない流れなのではなかろうか。
召喚獣としてのお仕事が出来……たのかは怪しいけど、とりあえず撫でられるのは気持ち良さそうだし。
「ほれ、もう戻んな」
あ、お腹の下に手を差し込んでひょいっと持ち上げ……たと思ったら、ういろうちゃんがぽーんと放物線を描いてこっちに飛んできた。
「いや戻ってくんなよ」
……しゅたっと着地したういろうちゃん、ちょっと楽しかったのか「もう一回やってー」って感じで走って行った。
あ、でもちゃんと付き合ってあげるんだ。
やっぱ良い人だな、テツさん。
改めて失礼しまーすと手を振って、結局五回も投げさせられた上にシェラにまでお願いされたテツさんと別れる。
なんというかその、うちの子たちがごめんなさい。




