1584:再戦の約束を取り付けよう。
ほら、と差し出されたマツリさんの手を取って、普通にむくりと起き上がるロシェさん。
私たちって飛べるんだから、そのまま浮いちゃえば良いだけなんだけどっていうのは黙っておこう。
「やー、しかし速いねぇ」
「私の手柄じゃないけどな」
「いやぁ、そんな事は無いでしょー」
まぁ確かにスピードが上回ってたのは飛行機の性能だろうけど、ちゃんとそれを活かして飛んでたもんね。
私だったら何処かで輪っかにぶつかったり、バランス崩して墜落したりしてそうだし。
一周目では途中で抜かれてたのに、二周目は前をキープしたまま戻ってきてたしね。
「ま、コースが易しかったのは有ると思うよ。殆ど減速する必要が無かったしね」
「むぅ」
なんかロシェさんが微妙な顔になってるのは、そんな事は無いって言ったら嘘になるけど、そうだそうだーって言うのもなんか情けないなぁってところかな?
考え様によっては負けた言い訳みたいになっちゃうし。
「でも次は負けないかんね!」
「いや、なんで次が有って次も私が飛ぶ予定なんだよ」
うん、普通の人たちは外の開拓で忙しいと思うよ。
今日は丁度居たから…… というか居たらエリちゃんに見つかったからってだけだし。
「えー、勝ち逃げはズルくない?」
「知るかっての」
ずるいぞーとか言いながら放たれる寸止めのジャブを、面倒臭そうに全部ぺちぺち叩き落とすマツリさん。
……流石に良い動体視力だな。
「……はいはい、解った解った。都合が合えば付き合ってやるから」
「お、やったー」
あ、根負けした。
「飛ばす事自体は結構楽しいしな」
「だよねー」
「……機銃でも付けてもらおうかな」
「やめてね?」
調子に乗ってうりうりーって感じでほっぺたを突っついて怒られてる。
魔法の弾丸なら問題無いけど、普通に撃たれたら結構痛そうだな。




