1583:悔しさを発散しよう。
「まぁとりあえず、一旦そっちのサイズに合わせてくれるか?」
「あ、はい」
「この中にずっと居たら、それこそヤバそうだからさ……」
「あー……」
機体の外壁をぽんぽん叩くマツリさん。
さっき触った時ちょっと湿ってたし、機体の素材が木なのもあって染み込んじゃってるんだろうな……
「それじゃ、こっちに移ってください」
「はいよ」
操縦席の横に手を添えて、マツリさんがちゃんと乗ったのを確認してそっと動かしていく。
……これ、降りるのは自分でやってもらっても良かったんじゃないかな。
まぁ良いか。
機体から少し離れた所に降ろしてから大きくして、こっちと同じスケールまで戻していく。
「……はい、離してもらって大丈夫ですよ」
「ん、ありがとう」
しかしこれ別にこの大きさにならなくても、そのまま通常サイズに戻れば良かったんじゃないかな。
「あ、ちょっと横に」
「ん? のぁっ」
マツリさんが手を横にクイっと動かしながら言うから動いてみたら、私の居た所をロシェさんが凄い勢いで通過して……
「ちっくしょーぅ!」
「ぐぬっ…… せいっ!」
「あぎゃーっ!」
どすーんとお腹にタックルしてきたロシェさんの頭を脇に固めて、そのまま後ろに倒れて床に叩きつけるマツリさん。
……上手く調整してちょっと当たるだけにしたみたいだけど、失敗したらかなり危ないツッコミだな。
マットの上ならともかく、木の板だぞここ。
「んぁー、負けたー!」
「だからって突っ込んでくるんじゃない」
倒れた勢いのままごろっと転がって、仰向けになったまま悔しがるロシェさん。
「っていうか酷くない?」
「いや、人の腹に思いっきりタックルかましておいて何言ってんだ」
……まぁうん、ロシェさんがぶつかって行かなきゃ良かっただけだよね。
痛いには痛いだろうけど、大怪我はしない様に気を付けてたみたいだし。
現実だと気を付けてても色々と危ないから、絶対に止めておいた方が良いと思うけど。
頭はちょっとぶつけただけでも、すぐには見えないダメージが怖いからね。




