1579:ちょっと弱音を吐こう。
あ、わちゃわちゃやってる間に二人が戻って来たっぽいな。
どうやらどこかで上手い事すり抜けられたらしく、ロシェさんが前に出て頑張って逃げてるのが見える。
やる前は有利だって言ってたけど、いざやってみたら一周でも厳しい勝負になってるなぁ。
まぁそれは同じ速さでの話だし、飛行機の方がちょっと速いんだから今の状況が当たり前か。
「あれ?」
ロシェさんの飛び方になんだか違和感が有る様な?
「なるほど、重力を味方に付けるという訳ですわね」
「……あー、そういう事か」
まっすぐ進む時や上昇する時は普通に飛んでるけど、下降する時だけは【浮遊】を調整して地面に引っ張られる力も合わせて落ちて行ってるのか。
よくこの短時間でそんな技術を身に着けたな……
「ねぇーー!」
ん?
なんかロシェさんが叫んでるけど、トラブルかな?
「【跳躍】使っちゃーダメかなぁーー!?」
「いやダメに決まってんだろ」
「ケチーー!!」
……なんかちょっと情けない提案をしながら通り過ぎて行って、テツさんや近くで聞いてたギャラリーの人達にツッコまれてる。
うん、流石にそれは不公平だと思うよ。
【妖精】同士のレースならともかく、マツリさん側は普通に飛ぶ事しか出来ないんだからさ。
というか【妖精】のMPだと結構な回数を跳べるんだから、有りにしたら今すぐにでもゴールに戻ってこられるでしょうに。
あ、要らない事言ってる間に追いつかれてる。
ゴールの近くは通らないといけない輪っかが無いから、マツリさんは存分に飛ばせるもんなぁ。
……あれ、なんかロシェさんのすぐ後ろだと微妙に機体がふらついてる?
あ、そうか。
魔法の力で飛んでる訳じゃないから、ロシェさんが前に居ると気流が乱れてやりづらいのか。
いや推進力は魔法だけど。
お、ロシェさんの下に潜って行った。
少しだけど下降で更に加速しておいて、出来ればまっすぐ飛べる今の内に抜いておこうってところかな?
ぶつかる訳には行かないのはマツリさんも同じなんだから、前に居られると難しいのはお互い様だもんね。




