1575:まずは練習しよう。
真上から機体を掴んで、後ろ側をずりずり引きずってカトリーヌさんの待つ崖へ。
「先が見えてないとちょっと怖いな……」
「あー…… まぁ支えてくれますし」
「解ってはいるけどねぇ」
まぁうん、しょうがない。
マツリさん視点だと、何も操作してないのに崖に向かって進んでる訳だしね。
「いくよー」
「はい。オーライオーライですわ」
一応崖から乗り出す時に声をかけておく。
下から見てるだろうから無くても大丈夫そうだけど、注意しておくに越した事は無い。
「もう少し……はい、離していただいて構いませんわ」
「はーい」
操縦席の下に左手を添えて、右肩に担いだ状態になった所で手を離す。
……あれ、安定してるのは良いけど急発進されたら尾翼で後頭部を殴られるんじゃないかな。
まぁそうなったら壊れるのは飛行機の方だし、カトリーヌさんならなんとかしそうだから大丈夫か。
「んじゃ、後はよろしく」
「お任せを。それではマツリさん、ゆっくりと加速して参りますので、適当なところで点火してくださいな」
「はいよ」
……速度計とかも無い機体なのに、そんな大雑把な感じで大丈夫なんだろうか。
まぁ大丈夫だから言ってるんだって信じるしかないか。
ん、じわりじわりと加速してると思ったら、ちょっとずつ上昇し始めたな。
最初はある程度高度が有った方が、トラブルにも対処しやすそうだからかな?
あの高さなら、慣れない操作で曲がり過ぎたりしても人にぶつかる心配が無いしね。
……いきなり頭上から体当たりしちゃうって可能性は残るけど。
おー。
そろそろ最高速度かなってくらいのところで、綺麗に発進して行った。
なんであの人、担いだ機体の軸を全くずらさない様に回避行動がとれるんだろうな。
いやまぁいつもの事だし、こっちも出来るだろうからって何も言わなかったんだけどさ。
マツリさん、最初はちょっと動きが怪しかった気がするけど、割とすぐに慣れたみたいだな。
あのサイズからだととんでもないスピードだろうに、よく対応出来るもんだよ。
まぁ世の中色んなゲームやシミュレータが有る……というか「こういうの好き」ってエリちゃんが言ってたし、実際に飛行機のゲームとかをやってる人なのかな。
流石に現実で乗り回してる訳じゃないだろうしね。




