1573:実際に乗り込んでみよう。
「さて、それじゃ乗り込むか」
「あ、手伝います」
あのサイズだと操縦席周りの壁が高くて乗りづらいだろうし、横に手を添えて足場になってあげよう。
魔力で階段を作っても良いんだけど、こっちの方が手っ取り早いし。
「ありがと。このくらいなら跳び乗れなくもないけど、変な所に当たって壊れちゃ困るもんね」
よいしょっと私の手に登って、操縦席を覗きこみつつ言うマツリさん。
実際、ゲームの補正も有るから簡単に跳べる高さなんだろうな。
「にしてもこれ、思った以上に狭っ苦しいな……」
「もうちょっと縮みます?」
「いや、スケール的には合ってるみたいだし、そういうもんなんだろ」
あぁ、確かに椅子のサイズも今の大きさで問題無さそうだな。
シートベルト代わりの細い紐も用意されてるみたいだし、少し窮屈でも合わせてた方が良いのかな。
あんまり小さくなりすぎて、操作盤に手が届かなくなっちゃったら意味無いしね。
「あ、悪い。それ被せてもらって良いか?」
「はい? あぁ、解りました」
何の事かと思って振り向いたら、さっき外した操縦席の蓋が置いてあった。
「えーっと…… あ、嵌まったかな?」
「オッケーオッケー。ありがとう」
被せた蓋を少し押さえてみて、綺麗に嵌まった感触がしたので手を放す。
……あれ、マツリさんの力で外せるんだろうか。
まぁ外せないなら外せないで、それもこっちでやってあげれば良いだけの事か。
お、操作の確認かな?
羽の一部が微妙にうにうに動いてる。
「ちゃんと動いてる?」
あぁ、マツリさんからは見えないのか。
体は座席に固定してるし、操縦席の窓というか透明部分も真横や真上がギリギリ見える程度だもんね。
「んー、多分大丈夫だと思います」
「微妙に不安になる返事だな…… まぁ仕方ないのか」
うん、作った本人でもないし、そんなに仕組みに詳しくないし。
とりあえず動きそうな場所は動いてるから、大丈夫なんだろうなって判断しか出来ないよ。
というか向いてる角度とかを全部自分で判断しなきゃいけないのに、あの視界の狭さは大丈夫なんだろうか。
……まぁ実際の空と違って人混みの中に出来た道を飛んで行くんだし、ある程度はなんとかなるか。
多分だけど。




