1533:言われる前に黙らせよう。
さて、ずっと見てても仕方ないし、こっちはこっちで何かやるとしよう。
……戻ってきたらまたラキに呼ばれそうだけど、まぁその時はその時だ。
「んじゃ頑張ってねー」
「つっついてみちゃダメ?」
「ダメですよ」
「ちぇー」
なんで妨害しようとしてるんだ、ロシェさんは。
アヤメさんの身長よりこっちの指の方が太いんだから、つっついたりなんかしたら感触もろくに無いままぺちゃんこだよ。
あと聞こえてないだろうけど、ちっちゃい声で「アホかーっ!」って抗議してたよ。
今日は教えてたのもあって普段より多めに訓練したので、皆が訓練してるのを色々見て勉強させてもらおうかな。
まぁ【妖精】は色々と勝手が違い過ぎて、そのまま活かせる事は少なそうだけど。
「あ、そうだユッキー」
「ん? 変な事ならあんまり聞きたくないよ?」
離れようとしたところに呼び止めてきたのがエリちゃんだったので、先制攻撃をしかけておこう。
「えー? でも私はその程度じゃへこたれないよ」
「えー……」
いや、そこはへこたれてくれないかな。
くれないんだろうな。
自由だもんな、エリちゃん。
「ユッキーにも得の有る話だから大丈夫だよー」
「エリちゃんの大丈夫は私の大丈夫じゃない可能性が高いから止めてるんだよ」
「私でしたらどんとこいですわ」
「そりゃそうでしょうよ」
むしろカトリーヌさんの方が何倍もセーフの範囲広いでしょ。
……あ、カトリーヌさんに任せて逃げちゃダメかな。
ダメなんだろうな。
というかこの組み合わせで残してブレーキをかける人が居なくなったら、【妖精】の評判ごと酷い結果になりそうだからなぁ……
私が聞かざるを得ないか…… いや、うん、私も割とダメな自覚は有るけどね。
現状の【妖精】の認識、ほぼ全部私のせいだし。
「仕方ないなぁ……」
「あ、聞くんだ」
「この二人に任せて離れたら、どうなると思います?」
「ダメだね、うん」
当然だけど即答だったな。
まぁカトリーヌさんは有名だし、エリちゃんも知り合いだったんなら解るよね。
「酷い言われようですわ」
「まぁカトちゃんだしねー」
「いやお前もだよ! あ、声大きくてごめんね」
うおぅ、ビックリした。
近くに居た兎のお姉さん、どうやらツッコミを我慢しきれなかったらしい。
まぁうん、仕方ないね。
なに他人事みたいな顔してんだって話だもんね。




