1517:要らない物を入れよう。
「ええいあんたら、タコを買わんかいタコを」
「こっちやった方が良くね?」
「やかましいわ」
作り置きのタコ焼きをスルーしてワッフルばっかり注文されて、お姉さんがぶつくさ言ってる。
まぁ本来の売り物がスルーされてるのは、あんまり嬉しくないよね。
「あとそれタコじゃねーだろ。なんなんだよマジで」
「タコはタコや。んな細かい事気にしとるからハゲんねんで?」
「ハゲてねぇよ!」
いやうん、お兄さんの方が正しいと思うな。
あれはタコじゃないしフサフサだよ。うん。
「ところで白雪さん」
「うん?」
「こういう時こそ蜜の出番だったのでは」
「……あー、そういえば」
生地自体が元々甘めだったとはいえ、ここで出さなきゃどうするんだって感じだな。
忘れてたけど。
というか覚えてたとしても、お昼に売っちゃってるから殆ど残ってないんだけど。
「よし、ここは一つカヤノを困らせてやろう」
……なんかロシェさんがクックックと悪い笑みを浮かべて立ち上がった。
何をするつもりだ。
というかこのお姉さん、カヤノさんっていうのか。
「んお? あんま寄ったら危ないで?」
「あっつ……」
そりゃ熱してる鉄板の上に行ったら暑いでしょ。
そのままダウンして鉄板焼きの具材にならないでね?
「おりゃ」
「ちょぉ待てぃ、何してくれとんの」
「さらばだーってね」
……焼いてるベビーカステラの中に、持ってた蜜を投入して帰って来た。
昼のは売り切ってたと思うし、どこかのタイミングで採取してたのかな?
というかそれ、ある意味営業妨害なのでは。
【妖精】だから許されそうだけど、普通に考えたら異物混入事件の類でしょうに。




