1511:ころころ作ろう。
そういえば、地上に居たシェラはどうしてるんだろうか。
あぁ、レティさんのおひざを占領してるな。
ういろうちゃんはエリちゃんの所に行ってて、お姉ちゃんのおひざは例によって空席だな。
日頃の行いだと思うよ。うん。
「まぁよく解んないけど、とりあえず人数分、適当に頼むよ」
「はいな。……しょっ、と」
……なんか取っ手の付いた二枚組の鉄板が出てきた。
四角いデコボコがついてるし、ワッフル的な物を焼くのかな。
と思ったら、新しく用意してた生地をたこ焼きの鉄板に流し込み始めた。
あぁ、出した方はとりあえず火にかけて温めるのか。
「お、甘い匂い」
「それは良いけど、なんで同じ鉄板でやるかな……」
……うん、まぁ確かに、あれさっきまでたこ焼き焼いてたね。
手が込んでるのか雑なのか、どっちかにしてくれないだろうか。
普通にたこ焼きを作るみたいにくるくるとひっくり返していって、茶色っぽいボールが量産されていく。
あれは鈴カステラ……というかベビーカステラってやつかな?
「ほいほいほいっ、と。まずはこれな」
「はいよ。……まずは?」
山盛りのお菓子を受け取りつつ、首を傾げるアヤメさん。
「出来たら呼ぶから、皆でつまんどってー」
「ん、あぁ……」
質問には答えてもらえなかったけど、まぁ良いかと皆の所へお皿を持って行く。
……あれ、飲み物ないとキツくないかな。
と思ったら、持ってきた物を見たエリちゃんがすかさず出動していった。
……お姉ちゃん、あんまり撫でまわしてるとせっかく移ってきたういろうちゃんが逃げるぞ。
「ほい、妖精さんの分」
「あ、ありがとうございます」
私達の居る棚の上に、半分に割ったベビーカステラの乗った小皿が置かれる。
普通なら一口サイズなんだろうけど、やっぱりこっちから見たらスイカみたいな大きさだなぁ。
「もうちょい細かく刻んどく?」
「あー、いえ、大丈夫です」
声は聞こえないだろうからジェスチャーで要らないと伝えて、魔力製の包丁をスタンバイしているシルクに手渡す。
あ。
「あー、そう言えば言い忘れてましたけど」
「うん?」
直前になったけど一応言っておかないとね。
「めっちゃ過保護にお世話されますけど、まぁそういうもんだと思って諦めてください」
「……うん?」
「力を抜いて、全てをシルク様に委ねておけばよろしいかと」
「……あー、うん……」
察したというか思い出したというか、まぁどちらにせよ理解したらしく苦笑気味に頷いてる。
どうせロシェさんも召喚士なんだから、そのうち通る羽目になる道だろうしね。
いや、別に私みたいに流されなきゃ良いってだけなんだけどさ。
でもまぁ、いい歳して恥ずかしいって事以外にデメリットが無いからなぁ。
いや、それは普通なら相当デカい事かもしれないけど。




