1509:直接干渉されよう。
「そういうわけで、あんまり迂闊な事は言わない方が良いかもですね」
「そっかー」
まぁ重要な事とか伝言を頼んだ時以外は、そうそうアリア様まで伝わりはしないだろうけどね。
隠密さんもアリア様も、そこまで暇じゃ……うん、暇じゃないだろうし。
ん?
なんか今度はお腹の辺りに違和感が……?
「わひぁぅっ!?」
「おぉぅ…… 今度はなんなの?」
「雪ちゃん、今のもう一回お願い」
なんかいきなり脇腹……しかも服の上からじゃなくて素肌に、何かしっとりしたものが通り過ぎて行った様な感触が。
なんなんだよ今のは。
変な声が出てロシェさんを驚かせてしまったよ。
あとお姉ちゃんは黙ってなさい。
「今のタイミングでよく解らない現象って事は……?」
「何か言ってきてない?」って目でレティさんを見てみよう。
「その様ですね。恥ずかしいのは確かですが、褒められた事は純粋に嬉しいとの事です」
「……なんでそれで脇腹を……?」
「愛情表現の一種なんじゃない? ほら、にゃんことかもスリスリしてきたり、おててでふにふに押してきたりするでしょ」
「いや、でしょって言われても」
なんでお姉ちゃんは唐突にベルさんを猫扱いしてるんだ。
「『はい』との事です」
「え」
……なんで言った本人が驚いてるんだ。
まぁ後半はただの冗談だったからだろうけどさ。
「あ、白雪さん」
「ん?」
なんかレティさんに改めて呼ばれたけど、今度は何だ?
とりあえず、良い事が起きる予感は全くしてないけど。
「『もう少し』だそうです」
「何がぁっはぉぁぁーぃ!?」
さっきの感触が太ももから下に向かってぬるーっとぉ!?
「何かよく解らんけど変な事になってるのだけは解るな」
「だねぇ」
「待って待って待ってこれ絶対舐められてるってちょっと待って」
「うわぁ……」
「流石は白雪さんですわ」
「何がぁぁってだから待ってストップベルさんストップ!」
名指しで直接的な指示をしてやっと止まってくれた。
お姉ちゃん達は笑ってるしロシェさんは引いてるし。
あと流石って何だカトリーヌさん。
っていうかたしかにストップとは言ったけど、右足の指の付け根あたりにぺちょっと触れたままで止まらないでくれないかな。
こっちが動いても全く感触が変わらないんだけど、どうなってんのこれ。
あ、感触が消えた。
「『すみませんでした……』だそうですよ」
「あ、いえ」
なんか謝られた。
いや、まぁそれが当然の事をされてた様な気はするけど。
でもなんか詳しく知るのは怖いので、あんまり気にしない方向でいくとしよう。
「ただなんか、逆に変な迷惑かけちゃってる気がするんで、その辺に【妖精吐息】吹きますんで当たっといてもらえたらと」
どうせ【妖精】からの影響でちょっと暴走気味になってたとかいうオチなんだろうし。
出てこいっていう訳にもいかないし、宙に吹いておくからそっち側で勝手に受け止めて行ってほしい。
……これ、たぶん目の前に居るな。
目の前の空間とか吹いた魔力の動きとかがちょっとだけ奇妙な感じになってるし、別の次元から干渉してきてるんだろうか。
まぁ干渉しろって言ったのは私なんだけどさ。




