1499:回収に呼ばれよう。
あ、呼ばれてる。
「近づくから動かないでねー」
「言われるまでも無いだろ……」
うん、さっきから何回も動けないって言ってるしね。
まぁ一応というか定型句というか。
「何をやってるんですか……」
「うむ、ただの思い付きだ!」
「さいですか」
だろうとは思った……というか、それくらいしか無いよね。
どう見ても特に意味の無い行動だし。
「とりあえず、そのままだと動かせないんで少し戻しますね」
「うむ、頼むぞ。ラキと一緒に落ちるのは、流石に少々刺激が強いのでな」
うん、そりゃそうだろうね。
ちょっと姿勢が低くなってるとはいえ、頭の上からテーブルまでだと二百メートル近い落下になるだろうし。
……とか言ってる間にラキは一人で飛び降りて行ってた。
「む、あれなら行けるか?」
「あんな芸も有ったんですねぇ」
落ちていくラキを二人で眺めてたら、おしりからもわっと何本もの糸を出してパラシュート代わりにふわふわ降下していくのが見えた。
それって産まれたばかりとかの、もっと小さい子がやる移動法じゃなかったっけ?
まぁ実際に出来てるんだから、現実がどうとかは別に関係無いか。
そもそも本当ならあんなに出しもしないだろうし。
「おーい……」
「あ、ごめん」
見てないでさっさとしてくれという声が足下から聞こえて来た。
「よし、良いぞ」
「はーい」
アリア様が指先に掴まったのを確認して、ゆっくりと魔力を流していく。
とりあえず移動の事も考えて、こっちの半分くらいで良いかな?
「それじゃ、しっかり掴まっててくださいね」
「その前に…… 良し、任せたぞ」
どうしたのかと思ったら、さっき置いた旗の回収だった。
うん、変な物を人の頭に残して行っちゃ駄目だよね。
「……いや、危ないですよ……?」
「しっかり掴まれと言ったではないか」
「そういう事じゃないですよね……」
抱き上げるからくっついててくれって話であって、脚にしがみ付けとは言ってないんですよ。
そりゃ確かに、この体格差だと胴体には手が回らないだろうけどさ。
ええい、すりすりするんじゃない。
カトリーヌさんじゃないんだから、もうちょっと自重してくれないと困るんだよ。




