1463:怪しい動きは阻止しよう。
「やってみます?」
「んー、まぁ熱くないんだし大丈夫だよね」
ポッと小さい火を灯してロシェさんに渡し、少しだけ離れておく。
変な事にはならないだろうけど、慣れてないだろうからね。
「あ、一応真横や上とか、何も無い方に吹いてくださいね」
「んー?」
「そりゃそうするけど、わざわざどしたの?」って感じかな?
「素の強さで発動しちゃうと威力が強すぎて、地面に影響が出るかもしれないんですよね」
「んー」
スキルも無しに普通に吹くだけだとどうなるかはよく判らないけど、用心するに越した事は無いだろう。
地面を溶かしたり植木を燃やしたりしちゃうと、後でジョージさんにお説教されちゃうからね。
いやうん、そんな事したら叱られて当たり前だけど。
「お、良い感じですね」
「んふー……んんっ」
ぽふーっと良い感じに加減して吹けてるね。
褒められてふふーんって言おうとしたのか、ちょっと強火になって焦ってるけど。
……ん?
「はいはい、大人しくしててね」
「ちょっとだけですので」
「ぴーちゃん、この人確保しといて」
「ぴゃっ!」
こっそりと焼かれに行こうとしてたカトリーヌさんを捕獲して、ぴーちゃんに引き渡しておく。
油断も隙も無い……けど、あの人が本気でやってたら私じゃ察知出来なさそうだし、見つかるかどうかも含めたお遊びなんだろうな。
鉤爪で掴んでも喜ぶだけなのが解ってるから、普通に背後からもふりと抱き着いて捕まえてるな。
「ぬくいですわ」
「ぴっ」
……「やかましいわ」って感じかな?
でもあれ実際、羽毛で包まれてて普通に気持ち良いだろうから仕方ないよね。
まぁカトリーヌさん相手だと正直どうしようも無いから、そこは大人しく諦めておこう。
プラス方向でもマイナス方向でも、何をどうしようと基本的に喜ぶから。
禁句は有るけど、本気で嫌がる様な事を言うのは良くないしね。
いや、本来は殴ったり蹴ったりする方がよっぽど駄目な筈なんだけど。
まぁそもそもぴーちゃんは喋れないから、言おうと思ったとしても言えないんだけどね。
「んーんー」
「はい? ……何をやってるんですか、何を」
みてみてーって感じの声が聞こえたから振り向いてみたら、人差し指で唇を押さえて二本の火を吹くロシェさんの姿が。
やってるうちにだんだん楽しくなってきてしまったんだろうか。
まぁ気持ちは解らないでもないし、楽しめるんだったらその方が良いか。




