1446:盾代わりにされよう。
あれ、諦めたのかな?
小鳥さん、ぴーちゃんの方に向かうのを止めて横にふわふわと流れて行ってる。
……あー。
ぐるーっと大きく迂回して、私とぴーちゃんの間に入ってきた。
なるほど、ちょっと頭を使ってきたな。
こっちに飛んで来ても別に私は困らないけど、あんまり近づけたくないぴーちゃんとしては嫌な位置取りだろう。
ちょっと「しまった……」って顔してたし。
横に回り込んで吹っ飛ばしてやろうとぴーちゃんも動いてみてるけど、小鳥さんがしっかりと追従して私とぴーちゃんの間を維持し続ける。
案外機敏に飛べるんだなって思ったけど、縄張りに入ってきた獲物を襲う時もふよふよしてる訳が無いんだから当たり前か。
この状況での効果的な手を思いつかないのか、ぴーちゃんがぐぬぬーってなってる。
近づいて来たところを羽で横に引っ叩こうにも、するりと回避されるだけだろうしなぁ。
まぁ今回は私を人質に取られたぴーちゃんの負けって事で、小鳥さん寄りの口出しをしてみよう。
「まぁまぁ、ちょっとくらい良いんじゃない?」
「ぴぅ……」
そんなにしょぼーんって顔にならなくても良いんじゃないかな。
本気で嫌なんだったらジェイさんに回収してもらうけど……
「ぴゃっ!」
あ、いや、開き直ったっぽいな。
来るなら来いやーって顔してる。
小鳥さん、ふわふわ飛んでぴーちゃんのお腹にもふりと体当たり。
「ぴひゅっ……」
……脇腹にすりすりされてくすぐったかったらしく、珍しい声を出したな。
もふんもふんとくっついたり離れたりを繰り返しつつ、ちょっとずつ上に登って行ってる。
……何を羽毛に包まれたぴーちゃんのふかふかの隙間に潜り込もうとしてるんだ。
っていうかあんまり気にしてなかったけど、あの子オスじゃないよね?
まぁジェイさんが止めずにニコニコ見守ってるって事は、問題無い方って事なんだろう。
ぴーちゃん自身にも怒る気配は無いし。
いや、どっちだとしてもどうなのかとは思うけど。
確かに暖かそうではあるけどさ。
なんか満足したらしく、更に上に行って肩にもふもふ首にもふもふと体当たり。
楽しそうに首元やほっぺたにすりすりしてる小鳥さんに対して、ぴーちゃんは「勘弁してよぅ……」って感じの困り顔。
……これ、敵だと思ってる相手になぜかすっごい懐かれちゃって困ってるのか?
あ、凄い満足げな顔して頭の上にちょこんと座った。
顔というか雰囲気か。
「ぴぁー……」
「まぁ…… うん、なんて言うんだろう…… 頑張れ?」
やや情けない声で助けを求められたので、とりあえず励ましておこう。
無責任なご主人でごめんね。




