1440:改めて訊いてみよう。
それにしてもこれ、飛んでるっていうかただ浮いてるって感じだなぁ。
お外に出したら風に流されてどっか行っちゃいそうだよ。
お、箱に戻って行った……いや、ジェイさんが手をうちわみたいに広げて扇いだのか。
まぁ全く抵抗せずに流れに身を任せてるし、別に戻りたくない訳じゃなさそうだ。
さて、とりあえず可愛がった事だし……
「で、この子はどういう生き物なんですか?」
どうせ碌な答えが返ってこないであろう質問をしておくとしよう。
まぁそもそも魔物なんだから、ただの可愛い生き物じゃないってのは判りきってるけどさ。
ん?
そういえばこの子、魔物なのに【妖精】を見ても大人しいままだな。
まぁ突然変異みたいなものなんだろうし、深く考えても仕方ないか。
単に賢いから『襲ったら処分される』って考えた結果かもしれないけど。
「まずその子は、本来はたくさんの群れで暮らしてる魔物でね?」
まぁこのサイズだしね。
いや、別に小さいから一杯集まるってものでもないだろうけど。
「あ、ちなみにその子は自分から群れから離れただけよ?」
わざわざ言わなくても、別に引きはがして可哀想とかは思ってはいないぞ?
「ちなみに理由は『自分を特殊な個体だと思わせれば消費されないだろう』ってところねぇ」
「……賢いなぁ」
でもそれ、結果的には正解だったみたいだけど、下手したら逆に狙われるだけじゃないか?
いや、消費する様な実験の材料にはされなくなるだろうけどさ。
「群れの規模にも依るのだけれど、大体この位の範囲にまとまって、皆でふわふわと飛び回って暮らしているの」
こーんな、と両手を広げるジェイさん。
かなり広く見えるけど、人から見れば大体一メートルちょっとってところかな?
……というかその状況、なんか蚊柱っぽいな。
自転車で走ってたら顔を突っ込んじゃったりするらしいアレ。
でもこの子は魔物なんだし、蚊柱と違って突っ込んじゃったら大変な事になりそうだな。
小さいとはいえ私と違って、人間にぶつかられたくらいで死んだりしないだろうし。




