1438:解らないまま触ってみよう。
さて、それじゃ言われた通りモフってみるか。
「おいでおいでー」
急に手を伸ばしたら怖がられるかもしれないし、少し離れた場所にそーっと手を下ろしてから呼んでみた。
言葉はなんとなく解ってるらしいし、来てくれると良いんだけど。
お、じーっとこっち見てる。
こわくないよー。顔はこわいかもしれないけどこわくないよー。
……「?」って感じで首を傾げた。
可愛いんだけど、どういう感情なんだろうか。
あ、動い……速っ。
なんだっけ、あの駐車場とかに居る、なぜか飛ばずに走り回ってる小鳥。
あれを彷彿させる様なダッシュで、スサササっと手に向かって走って来た。
「おお……」
とりあえず好きにさせてみようと手を動かさずにいたら、そのままの勢いで私の手の上にモフっと収まった。
なんだこの可愛い生き物は。
……本当に解らない時に使う方が珍しいセリフだな、これ。
鳥さんが乗った手を少し持ち上げてみても逃げなかったので、そーっと顔の近くまで持ってきてみる。
うん、ふわっふわの小鳥だな。
シマエナガみたいな姿形だけど羽は全部真っ白で、畳んでると本当にただの毛玉にしか見えない。
いや、尾羽が後ろにぴよっと飛び出てはいるし、つぶらな瞳とちっちゃい嘴は見えてるけど。
というかこの子、すっごい軽いな。
一応鉤爪とかの感触は僅かに有るけど、何かを乗せてるって感じが全くしない。
あ、でも鳥なんだし軽いのは一応当たり前の事なのか?
スズメだってあのサイズで二十グラムくらいしかないらしいし。
まぁそんな事よりも、触っても良いよって気配を感じるので人差し指でなでなでしてみるか。
単に逃げないからそうなんだろうってだけだけど。
……突っつかれたら謝ろう。
「おおぉ……」
見た目通りにふわっふわだ……
……軽くにぎにぎしてみたい衝動にかられるけど、流石に止めておこう。
案外小鳥側も好きだったりするらしいけど、初対面だしこんな見た目でも一応魔物だし。
む。
可愛いなぁってつんつんやってる姿を、ジェイさんに可愛いなぁって顔で見られている。
くそぅ、もしやそれが狙いか。
……いや、ただの言いがかりだし、こんな可愛いのがモフれるんだったらそのくらい別に良いけどね。
あ、お腹も撫でて良いの? ありがと。




