1412:一緒に向かおう。
「いやー、丁度良いなぁ」
ん?
「白雪ちゃん達、これからフミちゃんの所に行くんだよね?」
「あ、はい」
「新しい子が来るからよろしくって、アリア様から連絡が有ってねー」
あぁ、なるほど。
家具の件で関わるんだから、せっかくならまとめて済ませようって事ね。
素材に何を使うかで値段も変わってくるだろうし、現物を見て選んだ方がより好みに近い物を選べるだろうし。
まぁ値段に関しては、正直あんまり気にしなくても大丈夫そうではあるけど。
ティアーナさんが居なかったとしても、相場に関してはフミさんも解ってるだろうしね。
……というか【妖精】相手だと、ちょっとくらい予算オーバーしても気にせずに良い物使っちゃいそうで、ある意味怖いよね。
お金を取らずに最高級素材を全力で使ってくるお姫様よりはマシだけど。
「やーやー、新人さんも可愛いねー、うんうん。私はティアーナ、よろしくねー?」
「え、あ、はい、よろしく……」
おお、ロシェさんがちょっと気圧されてる。
抑え気味だけどやっぱり声は大きいし、めっちゃグイグイ来てるもんなぁ。
あんまりテンションを上げ過ぎてると、フミさんにうるさいって追い出されちゃうぞ?
「おっ、そっちの子たちも初めましてだね」
シェラとういろうちゃんを見て、その場にしゃがんでおいでおいでーと手招きしてる。
あ、近寄ったら二匹揃って抱っこされた。
……器用に片腕でまとめて支えて、普通に鞄を持って立ちあがったな。
まぁシェラ達の表情を見る限り別段居心地は悪くないみたいだし、素直に運ばれてあげたら良いんじゃないかな。
「ん? こっちの声が聞こえなくて大丈夫なの?」
元気に歩いて行くティアーナさんの後ろをついて行っていると、ロシェさんがそういえばって感じで確認してきた。
まぁ相談するのに聞こえないって言われてたら、当然思うよね。
「こっちの声が小さ過ぎるのが聞こえない原因なんで、フミさんの工房みたいな静かな場所で大声を出せば、なんとか聞こえるみたいなんですよね」
「あー、なるほど」
「細工職人のフミさんもスキルは持ってないんで、話す時は意識して声を出した方が良いですよ」
「うん、気を付けとこう」
まぁあの人は……というかあの人もというか、察する能力が妙に高いから、聞こえてなくてもジェスチャーだけで割となんとかなるんだけどね。
とは言ってもやっぱり細かい所が難しいし、言葉が通じるならそっちの方が正確で早いのは確かだろう。




