1409:忘れ物は忘れておこう。
「それともう一つ」
うん?
まだ何か忘れてたっけ?
「せっかくリセットされたのですから、その前に一度体験されておけばよろしかったのではないかと。勿体無いですわ」
「ん? 何か有ったっけ」
……あー、うん、何が言いたいかは解った。
「いや、普通の人は溶かされたり食べられたりなんて、進んでしようとは思わないからね?」
「そうでしょうか」
そうですよ。
……いや、でもやってみたいけどデスペナはなぁって人も結構居た様な。
まぁうん、それが普通かって言われると微妙な気もするけどね。
少なくとも、私の中での「普通」からは外れてるとは思うよ。
一番普通じゃない生き物に言われたくないと思うけど。
「あー…… アレねぇ。まぁ気にならなくはないけど、私は別に良いかな……」
やや苦笑気味だけど、ならなくはないのか。
まぁ実際にやった人達からの評価が高過ぎるからなぁ……
でもやたらと良い評判だけが並んでるのは、ちょっと疑った方が良い気もするよ。
「まぁそれは良いとして。こっちに行くって事は、次は工房なのかな?」
「あ、はい。そうですね」
事前に行くって言ってあるし、まぁ判るよね。
いや、別に隠す訳じゃないから判って良いんだけど。
「店主様はとても良い方ですので、ご安心を」
「……安心して良いの?」
「あー…… まぁ普通の意味でも良い人ですし、騒いだりしなきゃ問題無いですよ」
カトリーヌさんに言われると逆に不安になるのは、ちょっと解るよ。
どういう意味で「良い人」なのかって話になってくるし。




