1407:お互いに押し付け合おう。
「はいよ、お待たせ」
む?
あ、余所見してる間におばちゃんが両替まで済ませてくれてる。
助かるなぁ。
……なんか端数の銅貨の分を切り上げられてる気がするけど、気にしないでおこう。
ちゃんと覚えてる訳でもなければ数える所を見てた訳でもないし、多分言ってもスルーされるだけだし。
まぁこっちだって要らないって何回言われてもお金を置いてくんだから、おあいこだな。
「とりあえず私がしまっておきますねー」
簡単に受け取れる様に銀貨にしてもらってるのに、ここで分けてたら意味が無いしね。
あ、さりげなくぴーちゃんが手伝いに来てくれた。
少ないからすぐではあるんだけど、やっぱり銀貨って重いんだよね。
「ん? いや、私は別に……」
「まぁまぁ。働いたんだから貰っておいてくださいよ」
自分の蜜じゃないしと遠慮するロシェさんには、ぐいぐい押しつけていこう。
実際ぴーちゃんと一緒に眺めてるだけでも良かったのに、手を動かしてもらったんだからね。
まぁロシェさんの気性を聞いた限りだと、いつ無くなっちゃうか解ったもんじゃないけど。
そこは個人の自由だし、自分のお財布だしね。
私が気にする事じゃあないだろう。
「何してんの?」
「あ、こっそり置いてるんであんまり見ないでください。最初からバレてますけど」
「……それもう堂々としててよくない?」
柿の分のお代を籠の陰に置いてたらロシェさんに見咎められたので、目を逸らしてもらう。
なんというかこう、うん、あれだよ。
様式美? いや、違うか。
まぁうん、良いんだよ。
そういう遊びみたいなものなんだよ。




