1369:遠回しに呼ばれよう。
モニカさんに門を開けてもらって、頭を下げつつ通過する。
まぁ私達が通るのは元々何もない高さだけど。
「失礼します。姫様より伝言を言付かって参りました」
「あ、はい。どうぞ」
……なにやら若干植木に埋まり気味な隠密さんが現れた。
確かに細い道ではあるけど、そこまで端に寄らなくて良いと思うよ。
「『後回しで良いぞ』との事です」
「はーい」
言い終わると同時にすーっと消えていく隠密さんに、一応了解のお返事を。
聞こえてなさそうだったらまたスッと出てきたりするんだろうか。
というか今の、逆に言えば「顔は出せよ」って事だよね。
まぁ当然の事だし、言われなくても寄るけどさ。
「んん?」
「丁度アリア様が遊びに来てるんですけど、挨拶は家での用事を済ませた後で良いよって事かと」
「あぁ、なるほどー」
流石に外での用事まで全部終わらせてからではないだろう。
まぁ作業してた部屋にも窓は有ったし、横を通る時に普通に見えそうだけど。
「おかえりー」
「ただいまー」
めーちゃん、地面から細い根っこをぴょこんと出してふりふりしてきた。
だんだん器用になってきたな……
「めーちゃんでーす。よろしくねー」
「あ、うん、よろしくー。……でっかいなぁ」
挨拶を返しつつ感心してる。
普通の人のサイズより、更に何倍も大きいもんね。
「あー、ソニアちゃんも来てるからー、後で寄ってみるのもー、良いかもねー」
「あ、そうなんだ。ありがと」
丁度良いタイミングでログインしてくれたな。
ある程度人数が多いならともかく、数人しか居ないんだし挨拶くらいはなるべくしておいた方が良いだろう。
「ねこさん、爪研ぐー?」
……いつもながらどういう提案だ。
「そっかー」
ういろうちゃん、研がないよーって顔してめーちゃんの足を肉球でぷにぷに押さえてる。
……気持ち良さそうだな、あれ。




