1354:動かせるようになるお手伝いをしよう。
えーと、三番三番。
間違ってたら情けないので、一応案内板をちゃんとチェックしておこう。
なんせ数回しか来てない場所だしね。
あ、そんな事してる間に来たっぽいエフェクトが見えた。
シェラ、あんまりドカドカ勢い良く行っちゃだめだよー。
「おー、水面が遠い……」
「お帰りなさーい、で良いのかな? まぁ良いや」
「ただいまー」
端っこから身を乗り出して海を見てるところに、横から声をかけていく。
別に正面からでも良いけど回り込む意味も無いし。
「いやー、出ない出ない。遅くなってごめんね」
「いえ、見てたのかってくらい丁度良いタイミングでしたよ」
「そっか、なら良いんだけど」
やっぱりなかなか引けないもんなんだなぁ。
まぁ一応レア枠みたいなものだし、仕方ないか。
普通の人は引いてもあんまり嬉しくないのばっかり入ってる枠だけど。
しかしなんていうか、ウサ耳が付いてた状態でしか会ったことなかったから、無くなると違和感が有るな。
いや、こっちが本来の姿……というか顔なんだろうけど。
「やー、しかしアレだね」
「はい?」
「確かに妖精っぽいけど、一応普通の服も用意してほしいもんだねぇ」
「あー…… ですよね」
名前は服だけど、どう見てもただの水着だもんなぁ。
街中にこれで出るのって、慣れないと恥ずかしいよね。
「あたっ。……どうせならサンダルも付けてくれれば良いのに」
「サンダルじゃ飛んだら落ちちゃいますよ」
「あ、そっか」
動いた拍子に小石……というか砂の粒を踏んだらしい。
一応履いてる限りは【浮遊】の効果は受けるんだろうけど、それでも一応「下」に落ちようとはするからなぁ。
……逆さになった状態で足から離れたらどうなるんだろう。
一瞬離れては本来の重力に引かれて接触してを繰り返したりするんだろうか……?
「えーと……? あ、これね」
ぐいーっと背中に手を回して、自分の翅をチェックしてる。
「おっほ。結構くすぐったいね」
「それも慣れですねぇ」
まぁロシェさんは兎やってた訳だし、別の部位とはいえ似た様な事を味わってるだろうから大丈夫そうだな。
いや、私はあっちを体験してないんだから、何とも言えないけど。
「動かせます?」
「んー、どうだろ。あ、そうだ」
「はい?」
微妙にピクピクしてたけど、いまいち掴めないのかな。
なんか思いついたみたいだけど、まぁカトリーヌさんじゃないから大丈夫だろう。
「ちょっと背中触ってみても良いかな」
「ん? あー、動かしてる筋肉とかそういうのですか?」
「うん。まぁ意味有るかは判んないけど」
「それでしたら直接触れた方が良さそうですので、よろしければこちらをどうぞ」
「お、ありがと」
あぁ、確かに。
一応翅の穴とか色々隙間は有るとは言っても、こっちは服着てるもんね。
体の動きを感じたいなら直接の方が良いだろう。
「ちょっと後ろから動かしてみましょうか?」
ただ見てるのもなんなので、カトリーヌさんの時と同じお手伝いをしてみよう。
「あ、お願いー。……そっとね?」
「大丈夫ですよ」
くすぐったいのはこっちもよく解ってるから。
そーっと手を添えて、ぐいーっと開いていってみよう。
……なんか遠くから穏やかな笑顔のお姉さんがこっち見てるけど、別に仲良く遊んでる訳じゃないからね?
いや、小っちゃいのが三人、仲良くじゃれ合ってる様にしか見えないのは解るけどさ。
そんな微笑ましい物を鑑賞する顔をされてても困るぞ。
……いや、なんか地味に目が怖いな。
あれなんか変な事考えてない?
っていうか目ぇ良いな。
こっちは相手が大きいから普通に見えるけど、向こうからしてみれば豆粒かって感じだろうに。
まぁ単に【視力強化】あたりを持ってるってだけなんだろうけど。




