1352:無言のおねだりを受けよう。
えーと、ここから港へ行く道は……
まぁ南東に向かって進んでれば普通に着くから問題無いか。
東通りか海側に出ちゃえば確実だけど、あんまり大通りには出たくないしね。
ん、カトリーヌさんが微妙に離れて行ってる。
……あぁ、掲示板へのお知らせ依頼ね。
「ぴゃっ」
「うん?」
いつも通り愛想を振りまきながら移動してたら、唐突にぴーちゃんに声をかけられた。
そういえばって顔してるけど、何だろう?
「ぴぅ」
「んー? ……あー、そうだねぇ」
付けっぱなしだった目隠しをぽふぽふして一声。
多分、これからは普段から付けてた方が良いかな?って事だろう。
「ちょっと窮屈かもしれないけど、大丈夫?」
「ぴゃー」
だいじょうぶーと良い笑顔で言ってきた。
よしよし、良い子はなでなでしてあげよう。
「白雪さん、白雪さん」
「ん?」
「それでしたら、いくつか替えの品を作って差し上げてはいかがでしょうか」
「ん、やっぱ何枚か有った方が良いかな?」
「ぴっ?」
「うん、良いよ良いよ」
当人も欲しそうだし、時間の有る時に作ってあげるとしよう。
適当に模様とか色とかも付けてあげれば、その日の気分で選べるかもしれないな。
デザインとかに自信は無いから、大した物は出来そうにないけど。
……下の方からめっちゃ視線を感じる。
「あー、うん、シェラにも何か考えとくね」
こらこら。
わーいって喜ぶのは良いけど、その勢いで通行人の脚に体当たりするんじゃありません。
……うちの子がすみませんって頭を下げようとしたら、既に「かーわいー」って抱っこされてモフられてた。
はい、お好きなだけどうぞどうぞ。
ふおぉぅ……って感じのくすぐったそうな顔してるけど、絡んでいったのは自分だからね。
いや、初対面の子のお腹に顔を埋めて思いっきり吸引してるお姉さんもどうかとは思うけど。
まぁでも楽しそうだし、お返しにお姉さんの頭をぽふぽふくんくんしてるからおあいこ……なのか?
よく解らないけど気にしないでおこう。
あ、一緒に居たお兄さんに行くぞーって呆れ気味に言われてる。
お互い暇してた訳じゃなくて、移動中の出来事だもんね。




