1351:案内を申し出よう。
「で、あとついでにそっちが良かったらですけど」
「うん?」
「【妖精】やってて用の有る所とかに、身体の慣らしも兼ねて一緒に回りましょうか?」
一応やる事が無い訳じゃないけど、別に絶対やらなきゃいけない事は無いし。
というか体験も兼ねて一緒に回れば良いし。
「おっ、ほんとに? 正直実際のところはあんまり解ってないから、こっちからお願いしたいくらいだね」
「はーい。まぁ紹介とか無くても【妖精】ならどこ行っても受け入れてもらえますけど、そっちのが手っ取り早いですからね」
「助かるよー」
あ、研究所以外の話だけどね。
あそこだけは油断してたら何されるか解ったもんじゃないよ。
まぁそれ、紹介云々の問題ではない気もするけど。
「それじゃ、終わったら港で待ってれば良いかな?」
「ですね。あ、メッセージ送れるようにフレンド登録しておきますか?」
「そだね。えーと、字は白い雪で良いんだったね」
「あ、はい」
やっぱり普通に知られてるんだな。
まぁさっきカトリーヌさんが呼んで……たのは、結構離れてたから関係ないか?
同じサイズでウサ耳持ちだし、あれでも聞こえてた可能性は有るけど。
んーっと?
一応確認しておこう。
「ロシェさん、で良いんですかね」
「うん。まぁ呼び方は何でも良いけどね……ってそういえば名乗ってなかったんだった」
うん、我ながら気にするのが遅すぎる気もするけど、まぁ過ぎた事はしょうがないな。
気にしたっていうか申請の名前見て気付いただけだけど。
とりあえず、ぽちっと承認しておこう。
「よし、それじゃ行ってきまーす」
「はーい。すぐに出ると良いですね」
カトリーヌさんともフレンド登録をしたロシェさん、行ってきますと言いつつもしゃがんでシェラとぴーちゃんをモフってる。
「ギリギリになるのも、それはそれで楽しいよ? 流石に出てくれないのは困るけど」
「いや、よ?って言われても……」
金銭的にも精神的にも、普通は一発で引けた方が良いに決まってるでしょうに。
……あぁ、でもこの人の場合浮いたお金も別の何かにつぎ込まれちゃうのか?
まぁそこは個人の自由だから良いんだけどさ。
「さて、それじゃ私達も行こうか」
「はい」
あんまり待たせても悪いし、さっさと港へ行っておくとしよう。
申し訳ないのもあるけど、飛ぶのに慣れてない状態での一人ぼっちは事故の元だし。
それにすぐに出たとしても色々選ぶ項目が有るし、先回りして待機していられるかもしれないしね。
まぁそれなりに遠いから、流石にそこまではあんまり期待できないけど。
……そういえば独断で色々進めちゃったけど、まぁ異議は無いみたいだし許してもらおう。
あ。
この後モニカさんに声をかけてお手伝いしてもらう予定だったけど、更に後回しになっちゃったな。
ちゃんと決定してた訳じゃないとはいえ、軽く謝っておこうかな?
って、なんかめっちゃ笑顔でお仕事してるな……
言っちゃ悪いけどちょっと引くくらいの笑顔で。
……あー、そうか。
後回しになったとしても、新しい【妖精】も一緒に採集してくれる可能性が高いなら、【妖精】大好きモニカさんとしてはむしろ大歓迎なのか。
こっちが先に済ませてからだと、私達に同行する都合で今日は紹介だけでって可能性も有るもんね。
……挨拶回りって用事が出来たから今日はお休みーって可能性は考慮してないんだろうか。
いや、手持ちもない事だし、ちゃんとやるけどさ。
まぁでもここに住むってのは聞こえてたんだし、それだけでもモニカさんとしては十分過ぎるくらい嬉しいのかもしれない。
外に出る機会があんまり無いだろうから、そうでもなければせっかくの【妖精】に会えないって事だし。
ま、良いや。
申し訳なく思う必要も無さそうだし、気兼ねなく出発するとしよう。




