1342:きっちり固定しておこう。
さて、それじゃ全員揃ったところで……
どうするんだ?
「ではぴーちゃん様、済みませんがよろしくお願いしますわ」
「ぴゃっ!」
あぁ、ぴーちゃんに乗っけてもらうのか。
……うん、流石にこの状況だったら、よく知らない相手でも背中に乗せてくれるよね。
私の評判にも関わりそうだし。
「乗っけて飛んでくれるの?」
「はい。お速いのがお好みの様ですので、貴女がぴーちゃん様のお背中へどうぞ」
「わーい。よろしくお願いしまーす」
カトリーヌさん、それ善意なのか罠なのかよく判んないぞ。
いや、でもぴーちゃんがちゃんと加減してくれるかもしれないしな。
……速いのが好きって聞いてる以上、あんまり期待は出来ないな。
まぁスピード狂ってくらいだしきっと大丈夫だろう。多分。
「あ、一応転落防止にくっつけておこうか」
「そうですわね」
加減速の配慮が有っても、あんまり速く飛び過ぎたら風で吹っ飛ばされちゃう可能性は無くも無いし。
いくら怪我しないって言っても、ぴーちゃんが飛ぶ様な高度から高速で斜めに落ちていくのは怖すぎるだろう。
「そんじゃ背中におぶさって、がっしり掴まっててもらえます?」
「はーい」
「では失礼して……」
兎さんとぴーちゃんの体を、カトリーヌさんが太めの糸でくるくると巻いていく。
ちょっと動いてもらったりもして、ちょっとおんぶ紐みたいな感じになってる。
……手伝おうかと思ってたけど、これ私が手出ししようとしても邪魔なだけだな。
単純にぐるぐる巻きにするだけならいくらでも出来るんだけど。
「よし、と。準備は出来ましたわ」
「あー…… それじゃぴーちゃん、やり過ぎない程度にね?」
「ぴっ!」
「れっつごー」
「ぴゃーぃ」
「はーい」みたいに鳴いて、ふわっと浮き上がって行った。
頑張ってねー。
兎さんがだけど。
「えーと、私とカトリーヌさんで一人ずつ乗っけて浮いてみる感じで良いのかな?」
「お手柔らかにお願いします……」
「えぇ、勿論ですわ」
上空で加速し始めたの見て「うわぁ……」って言ってたもんね。
とりあえず言っておきもするよね。
というかぴーちゃんほどにはスピード出せないから、やろうとしても出来ないんだけど。
「それじゃ、後ろにどうぞ」
「翅は大丈夫なの?」
「あ、はい。動かせた方が飛び易いってだけで、固定してても飛べはするので」
「それじゃ遠慮なく…… ってごめん、ちょっと高いかも……」
「あ、ごめんなさい」
私の方がかなり背が高いんだから、地表まで降りるだけじゃまだジャンプしないといけないんだな。
軽くしゃがんであげないとだよ。
というか一旦ちゃんと着地した方が良いんだろうけど、基本的に裸足だからなぁ。
汚れる事自体も気になるけど、下手に汚れて帰ったらシルクが張り切りそうで怖いんだよね。
綺麗にした方が良いのは確かだから、あんまり逆らう為の理由が用意できないし。




