1341:揺れに参ろう。
「んぐぉふっ」
……動き出して早々に舌でも噛みそうになったのか、変な声を出してから口をしっかり閉じてるのが見えた。
一応やや慎重に動き始めてはいたけど、それでも結構揺れるもんね。
「んっ、んー」
ん、大丈夫だから走ってみてって事かな?
まぁあっちはシェラに任せて、私は元の位置に戻っていよう。
ここに居ても片付けてくれてる隠密さんの邪魔になるし。
っていうかさっきから邪魔になってた筈なんだけど、流石に器用だな。
「お疲れー」
「いえ、これくらい白雪さんに比べればどうという事は有りませんわ」
いや、まぁそうかもしれないけどさ。
比較的って話は置いといて、三人連続でやったらお腹空くよねって話だね。
とりあえず、カトリーヌさんの遠慮を無視して魔力球を押し付けておこう。
……む、ちょっと怖がられてる?
まぁ本来よりはマシになってるとはいえ、この顔で見下ろしてたら怖がられて当然か。
「あー、別にこれ睨んでないんで、あんまり気にしないでください」
「あ、うん、ごめんなさい」
……うん、まぁ仕方ないんだけどさ。
微妙に丁寧になられても、ちょっと困る。
「おっ、帰って来たね」
ん?
あぁ、思った通りちゃんと理解してたな。
近くをぐるっと走るだけにして、すぐに戻って来てくれた。
「おーい、大丈夫ー?」
「うぅ、楽しいんだけど、上下動が……」
ちょっと酔いそうになってる兎さんを、ぴーちゃんが再度背後から抱き着いてそっと降ろしてあげてる。
……羽に吐かないであげてね?
よしよし、なんかよく解んないけどやり切った顔してるシェラを撫でてあげよう。
若干、ちょっとはしゃぎ過ぎたかなって感情も混ざってる気がするけど。
あ、降ろし終わったぴーちゃんも寄ってきた。
うん、ありがとね。
「……やわらかい?」
「うん、すごい……」
……君らは何の話をしてるんだね。
いや、解るけどさ。




