1340:乗っけてもらおう。
「うぅ、ぬくかった……」
「いや、そういう感想は要りませんけど……」
もそもそ出てきて嘆いてるけど、どう返せって言うんだ、そのコメントは。
あ、駆け抜けていったシェラが帰ってきた。
「お、ナイフ拾ってきてくれたみたいですよ」
「あ、ありがとー…… って、こうして見るとでっかいなぁ」
「まぁそうですね」
普段は飛んでるから上から見る事が多いけど、地表まで降りると完全に見上げる事になるんだよね。
あぁはいはい、えらいえらい。
「お、良いの?」
倒したブーツをよいしょと立てて、兎さんに乗ってみるー?とお誘いをかけてる。
「足場とか無いですけど、上がれます?」
「んー、どうだろ」
今のサイズから見ると普通の馬の背よりも高い分、ちょっと難しそうだな。
運んであげた方が良いかな?
「ぴゃっ」
「あぁ、それじゃお願い」
「お、ハーピーさんが連れてって…… やわこい……」
……うん、運ぶために抱き着かれたら背中に押し付けられるもんね。
私だとそんな事は無いんだけどね。
「おー、高いなぁ。くっついてれば良いのかな?」
もふりとシェラの背に跨って、後ろからきゅっと抱き着いてる。
シェラが太い訳じゃないけどスケールの差のせいで、手の長さがギリギリっぽくてちょっと危なっかしいな。
「ん? あー、こう?」
あ、おんぶの形に変更された。
流石に首なら問題無くしがみつけるもんね。
私たちの力じゃ、どれだけ締めようとしてもシェラが苦しくなることもないし。
「落とさない様に気を付けるんだよ?」
はーいと笑顔で手を上げて、まずはゆっくり歩きだす。
別に落ちても怪我はしないんだけど、一応ね。
それともうすぐもう一人もこっちに来るから、ちょっと走ったら帰ってくるんだよ。
っていうのは解ってるっぽいから、言う必要は無さそうだけど。
さっき一瞬、上の様子を窺ってはいたしね。




