1335:脇道に引き込まれよう。
ギャラリーにばいばーいと手を振って、役場からお家への道を戻っていく。
出てくる時にモニカさんに会ってるんだから、そこで思い出せてればわざわざ戻らなくて済んだんだけど。
まぁどうせ暇なんだし、二度手間三度手間とやってるくらいで丁度良いのかもしれないな。
……そういえば、こっちに行くって事はノーラちゃんと即座に再会する可能性が高いのか。
いや、別に何か困る訳じゃないし良いんだけどさ。
「おや?」
「ん? ……あれ、なんか揉めてる?」
「険悪な雰囲気ではない様ですが…… 何か有ったのでしょうか」
カトリーヌさんの声につられて横の路地を見てみると、何やらお互いに困った顔で言い合ってる三人が。
言い合いというか、兎の女の子が他の二人に説得されてる感じ?
確かに喧嘩とかではなさそうだし、口出しするのも変な話だし通り過ぎても大丈夫かな。
「あ、妖精さんだ」
「げっ」
「見ていたのはこちらですし……」
いやうん、ちょっと素直過ぎる反応しちゃったのは悪いなって思う。
別に嫌がる理由が有るわけでもないし。
まぁ目が合った以上はっていうか中断して三人ともこっち見てるし、仕方ないから寄り道といこう。
「ちゃーす」
「こんにちはー。何かあったんですか?」
手をひらひらさせて挨拶してくる兎さん達にお返事しつつ、一応聞いてみる。
「いやー、何かって事も無いんだけどね」
「無くはないでしょ…… 妖精さんも言ってやってくれない?」
いや、言ってやれって言われても……
「そんな無茶な」
先に話を聞かせてもらえないとコメントのしようが無いじゃないのって思ってたら、もう一人のお姉さんがツッコんでくれた。
「要約すると、変なタイミングでキャラ作り直すって言いだしたから止めてるんだよね」
「で、この子は良いじゃん別にーって言ってるわけね」
「あー……」
確かになんで今更って感じだな。
何か理由でも有るんだろうか。
「なぜ今になってリセットを?」
あ、カトリーヌさんが訊いてくれた。
「やー、私も【妖精】さんやってみたくてさー」
「止めといた方が良いですよ」
「おおぅ、突然の真顔……」
そりゃ真顔にもなるでしょ。
こんなおかしな生き物、楽しそうとか思って始めてもすぐ作り直す羽目になるだけだぞ。




