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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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1333/3906

1333:すくすく成長しよう。

「大人しくしてください」


「やーだー」


 頭を掴む腕を両手で掴み返して首の負担を抑えつつ、げしげしとエリクさんの脚やお腹を蹴りまくる。

 にゃんこだからって訳じゃないだろうけど、身体柔らかいなぁ。


 しかし結構勢いよく当たってるけど、全く効いてないらしく平然としてるな。

 牛と猫の種族差が出た感じだろうか。



「エリクの話、長過ぎるんだよー」


 おや、珍しく普通のお説教タイムらしいな。

 それが珍しいのもどうかと思うけど。


「そう思うなら、言われなくて済む様にしてくれると助かります。こちらも言いたくて言っている訳ではありませんよ」


「ぶーぶー」


 いや、その通りだと思うよ。

 完全に通常業務外の事だろうし。


 というか、これだけ蹴られて「本当に困った人です」って顔するだけで済ませてる辺り、かなり優しい方でしょ。

 ……掴んだ右手に本音が表れてる気がしないでもないけど。




「それでは、失礼し」


「ぬぁーっ」


 あ、のけ反って両脚でエリクさんのお腹にしがみついた。

 それ、余計に苦しいだけであんまり意味無いんじゃないかな。


「全く……」


「こーらー」


「こっちの台詞ですよ」


 だよね。



「おねーさんの言う事は聞きなさいって言ってるでしょー」


「年長者として敬われる様な人になっていただければ考えますよ」


「ん?」


 ……おねーさん?


 どう見てもエリクさんの方が年上……というか、三十前後くらいに見えるんだけど。

 いや、実年齢(そういうの)を見抜くのは苦手だけどさ。


「あぁ、私はこう見えてもまだまだ子供でして」


「十とちょっとかなー。何喰ったんだよこいつって思うよねー」


「……はい?」


 そういう問題じゃないですよねって言いかけたけど、割と失礼な気がするから黙っておこう。

 私だってそこまで極端じゃないとはいえ、小さいころから無駄にデカかったし。



 それにしても、そんな年の子を働かせて良いのか?

 いや、()って呼ぶにはあまりにも大きいけどさ。


 あ、別にここ日本じゃないんだから良いのか。

 というか既に研究所の双子って前例が居たな。


 それに、身体だけじゃなくて頭の方もその辺の人よりよっぽど大人っぽいしね。

 ……少なくとも、お腹にしがみついてる自称「おねーさん」よりはよっぽどね。



「小っちゃい頃はほんとーに可愛かったのになー。今じゃこんなに老けちゃって」


 いや、もうちょっと言い方が有るだろう。

 あとそんな指で摘まめるほど小さいタイミングは無かったと思うよ。


「私はこれで良かったと思っていますけどね」


 見た目も中身も大人になってるんだったら、確かに問題は無い……のかな?

 言われなきゃ普通にでっかい牛のお兄さんなんだし。




「それでは改めて、失礼させていただきます」


「あ、はい。頑張ってください」


 どうもと苦笑しつつ頭を下げて、サフィさんの抵抗をものともせずに連行していく。

 ……うねうねし過ぎでしょ、あの人。

 背骨どうなってるんだ。



「ふむ……」


「ん?」


 何やら背後からカトリーヌさんの呟きが。

 どうせこれ、碌な事考えてないんだろうな。


「合法ショタの逆は何と言うのでしょうね」


「知らないよ」


 ……本当に碌でもなかった。




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