1331:言い忘れたまま送り出そう。
「では、おねーさま、ありがと、です。また、あう、できる、うれしい、です」
「あ、うん」
深々とお辞儀をするノーラちゃん。
出来れば今度は普通の用事で会いたいっていうのは贅沢だろうか。
「あぁ、ノーラさん」
「んぅ?」
カトリーヌさんが呼びかけながらスーッと近づいていって、何やらもにょもにょお話してる。
聞いてても解らないし、こっそり後ろに戻ってきてるぴーちゃんでもモフっておくか。
カトリーヌさんとの話を終えたノーラちゃんが、再度ぺこりと頭を下げてぽてぽて歩いて役場を出て行く。
とりあえずばいばーいって手を振っておこう。
「何話してたの?」
「私たちの住まいの場所と、いつでも好きな時に遊びにいらしていただければというお話を」
「あー」
家は大体の人が知ってそうではあるけど、あの調子だとちゃんと文字が読めてるかも判らないか。
というかよく……いや、海外のゲームやる日本人にも、割とあんな感じの人は居るか。
「事後承諾になって申し訳ありませんが……」
「ん? あ、私の家なのにみたいな事?」
「はい」
「良いよ良いよ」
っていうか良いって言うのが解ってるからノーラちゃんに言ったんだろうし、元々特に来客は拒んでないしね。
カトリーヌさんとしても、一応謝っておこうってくらいの話だろう。
「っていうかさ」
「はい」
「ノーラちゃん、まっすぐうちの方に歩いて行ってなかった?」
「行っておりましたわね」
「……まぁ良いか」
「単に同じ方角に用が有るのかもしれませんしね」
だよねって言いたいけど、なんとなく期待薄って感じだよなぁ。
まぁ別に速攻でお邪魔されても良い……
「……モニカさんに気を付ける様に言ってあげた?」
こら、目を逸らすんじゃない。
「まぁ今はジョージさん達が居るだろうから大丈夫か」
「はい」
いや、だから敢えてみたいな顔するんじゃないよ。
ノーラちゃんがストライクゾーンに入ってそうな事、絶対忘れてたでしょ。




