1316:想像以上を叩きつけられよう。
「では……」
「ん?」
「どうぞ」
「あぁ、穴開いてるもんね」
魔力で作ったお椀に水を入れて差し出してきたので、先端を突っ込んで……
これが吸う為の器官だったとしても、どこをどう動かせば良いんだろうか。
流石に肺じゃないだろうけど…… あ、なんか出来たな。
舌の内側に空間が出来て袋みたいになってるらしく、舌の先を上側に当てたまま下ろそうとする感じでやったら膨らませられた。
奥に向かって絞る様に動かしてみたら、中の水は口の中を経由せずにそのまま喉の奥に流れて行った。
舌やら喉やら変な構造になっててかなり違和感が有るけど、痛くはないし【妖精】をやってる以上は諦めるしかないだろう。
まぁこれに関しては、調べるだけ調べた後は使わなきゃ良いだけなんだけど。
「……んん?」
「何か?」
「えーと…… うわ、変なとこ通ってるのにちゃんと味が判る……」
試しに蜜を一滴垂らして先端で混ぜてから吸ってみたら、しっかり甘かった。
まぁ変なとこって言っても舌ではあるんだけどさ。
いや、内側は変なとこか。
「蜜などを吸うのには便利そうですわね」
「まぁそんな感じではあるけど、私達って別に直接吸わなくても良いしなぁ……」
魔法で混ざり物がない状態の蜜が抽出できるんだから、わざわざこんな変な物を生やさなくても良いだろう。
……という事はそこから逆に考えると、何か他の事をする為の管って事なのでは。
やだなぁ。
無かった事に……しても変なタイミングで思い知らされるだけか。
「この様な器官が発現したとなると、鱗粉の時の様に何かしらのスキルを習得しているのでは?」
「正直チェックしたくないけどね……」
カトリーヌさんが早速思い知らせようとしてくるんだけど。
まぁ多分言う通りだろうし、今見なくてもどうせ夜に確認するんだから同じ事か。
うん、諦めてパネルを開こう。
どうせ【妖精魔法】でしょ。
えーと…… いやカトリーヌさん、見に来るのは良いんだけど近い近い。
別に背後に回る必要は無いでしょ。
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【お人形遊び】 消費MP:1000
対象の耳などから頭部へ口吻を刺し入れ、麻酔効果を持つ唾液を流し込んで仮死状態にし、脳を魔力による保護膜で覆った後に内部を溶解して吸い取り、その一部を魔力を含む唾液と混ぜ合わせて注入し直す事により、死亡させる事なく使用者に忠実なお人形へと作り変える。
対象への指示は音声または魔力を介した念波によって行われ、練度によってはある程度の自律性を持たせる事も可能である。
消費するMPの量は対象の能力などにより変動し、使用中は消費量の40%が維持コストとなり回復が不可能となる。
口吻を引き抜く際に先端部が自切し、保護膜内部に癒着する。
癒着後は使用者の念波を受信する為のアンテナになると同時に、施術後に対象の心臓が停止した際、頭部に満ちる魔力を利用した爆発を引き起こす為の起爆装置と化す。
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…………?
「待って? いや待って待ってちょっと?」
「流石は【妖精】ですわね……」
あのカトリーヌさんですら若干引き気味って本気でおかしいでしょ。
いや、自分が対象になるんだったら別だろうけど。
今まで以上というか、完全に人類の敵じゃんこれ。
言い逃れのしようが無いレベルでアウトだよ。
開発は何を考えてるんだよ。
仕様を考えた人と実装を許可した人に、現実側で話し合いをしたくなってくるよこんなもん。
……あー、報告したくないなぁ。
いや本当に。
どうせバレるからするしかないんだけど、それでもなぁ……




