1304:遠慮するのは忘れないでおこう。
「何をやってるんですか……」
ツッコむだけ無駄な気もするけど、見たからには一応やっておこう。
別に義務でも何でもないんだけど。
「やってみると中々楽しいぞ?」
「いや、そういう事は訊いてません」
そんな事を勧められても、反応に困るんだよ。
そもそも同じサイズだから出来ないし。
……人間相手なら一応出来るかもしれないけど、やろうとは思わないよ。
心にダメージを受けそうだし。
アリア様と同じくなぜか登って来てたコレットさんを机に降ろして、机の上から手を引っ込める。
変に手を出してても邪魔になるし危ないし。
「よし、あちらも終わった様だし、ここまでにしておこう」
「はい」
ありがとうなってポンポン叩くのもどうかと思うけど、まぁやられてる側に文句が無いなら良いんだろう。うん。
「さて、それではこちらは作業に入るとしよう」
「あ、はい」
私に出来る事は終わったって事だな。
「それじゃ、失礼します」
「うむ。期待していてくれ」
「あんまり頑張ってもらわなくても……」
借りだけがどんどん増えて行ってるんだから、逆にちょっと困りもするんだよ。
実際色々と助けてもらってるし、ちゃんと感謝はしてるけどさ。
「はっはっは。諦めるが良い」
「はーい……」
うん、言うだけ無駄なのは解ってるんだけどね。
本人に貸してるつもりなんて無いんだろうし。
でもとりあえず、ちゃんと遠慮はしてるんだぞっていう主張はしておくよ。
でもどうせ、帰ったら凄い事になってるんだろうなぁ……
だってシルク達もやる気満々だし。
いや、アリア様のお手伝いに行ってもらうんだから、やる気が無かったら困るんだけどさ。
出し過ぎられてもそれはそれでっていう難しいところなんだよ。
……うん、大人しく諦めて、表でまだかなーって顔してるシェラを撫でてあげよう。
ただの現実逃避だけど。




