1302:気にせず進めていこう。
「では頼む」
「この上で良いんですか?」
「うむ、シルクが居てくれるならば問題は無いだろう」
「まぁそうですね」
というか移動とかは、コレットさんだけでも大丈夫なんじゃないかって気はするけどね。
自分で言っておいて何だけど。
あぁ、床より机の上の方がシルクが作業をお手伝いし易いのか。
一応入れるし動けるとはいえ、この家のサイズだとシルクにはちょっと窮屈だし。
ここからじゃ届かないし、一旦立ってアリア様の横に移動しないとね。
「あぁ、座ったままで構わないぞ」
「え?」
「こちらから手を伸ばせば問題無かろう」
「そりゃ届きはしますけど……」
縮む位置の関係で、私がどんどんテーブルの上に乗り出さないといけなさそうなんだけど。
いや、別にそんなに大変って事も無いし、やれって言うならやるけどさ。
「それじゃ、どうぞ」
こっちから手を掴む訳にもいかないし、とりあえず手を出して向こうから触れてもらおう。
「うむ」
「なんで揉むんですか……」
「うむ」
うむじゃないよ。
まぁ痛くはないし触れてさえいれば問題無いので、気にしない事にしてゆっくり縮めていこう。
「む」
座って手を伸ばしてたアリア様が、一言呟いて動き始めた。
こっちがあんまり前に行かなくて済む様に、椅子の上に立ってくれてるのか。
……いや、別に動くときは離してくれて良いんですけど。
こっちは構わないけど、自分が動きづらいでしょうに。
「よし、掴まっているから引っ張り上げてくれ」
「あ、はい」
縮むにつれて結局前のめりになっていってたところに、赤ちゃんみたいなサイズのアリア様から声がかかる。
椅子の上に立ってるのに肩から上しか見えてないし、そのまま縮んだら結局回って行かなきゃいけないもんね。
そーっと手を上げていって、アリア様が机に登るのをお手伝い。
……いや、手伝わなくても自分で軽々登れるだろうけどね。
胸の高さくらいなら、現実の普通の人でもちょっと頑張れば登れるだろうし。
あ、隅っこで待機してたラキが走って来た。
「うむ、今少し待つが良い」
結構小さくなったとはいえまだまだアリア様の方が大きいんだから、あんまり足下でばたばたしてると踏まれるぞ。
いや、別に踏まれても痛くも痒くも無いだろうけどさ。
というかアリア様、もうかなりサイズに差が付いてるのに、なんで私の手を揉み続けてるの。
その大きさからだと、いくら【妖精】の手でも結構硬いでしょ。




