1301:新築にお邪魔しよう。
「あと何か、やっておく事とか要る物とか有りますか?」
「うむ。一旦中へ来てくれ」
「あ、はい」
一応聞いてみたらまだ何か有るらしいので、ミニチュアの家に入っていくアリア様達の後ろをついていく。
急拵えだからなのか、ドアは摩擦で引っかかるだけの仕組みなんだな。
おー、さっき開いたときはチラッとしか見えなかったけど、一応テーブルとかの家具も揃ってるんだな。
無駄って訳じゃないけど、そこまで凝る意味は有るんだろうか。
まぁこういうのを作るのも趣味なら仕方ないか。
「さて」
四つ有る椅子の一つに座って、向かいに座る様に促された。
まぁ逆らう意味は無いし大人しく従っておこう。
アリア様の隣が空いてるけど、まぁコレットさんは座らないよね。
あ、ぴーちゃんが座らされた。
「丁寧に作りはしたが、やはりこの視点で見ると粗が目立つな……」
用件に入るのかと思ったら、むぅって唸って机の角や脚をチェックし始めた。
「私から見れば十分に綺麗ですけどね」
十分の一サイズで違和感なく扱える物を作ってるって時点で凄いと思うよ。
いや、それで納得がいってないから言ってるのは解るけど。
「まぁそれは置いておこう。で、本題だが」
「はい」
「更に小さくしてほしいのだ」
「あー…… えーと、昨日くらいって事ですか?」
まぁちょっと予想は付いてたよ。
だって私の糸が欲しいって言ったら私を留まらせる事になるし、普通の材料が欲しいんだったら中に呼ぶ必要も無いし。
というか普通の品なら隠密さんに持ってきてもらえば済む話だし。
なにか他の作業が有ったとしても、コレットさんとシルクが居る以上、私の出る幕なんて無いだろうしね。
「うむ。今日の所はそれで良い」
「今日の所って何ですか……」
「ラキの服を作ってやるには同じサイズがやりやすいのでな」
「あぁ、まぁそれはそうですね」
十分の一サイズの家具の出来に満足してないんだから、三十分の一近いサイズの工作ならなおの事だろうな。
特に服なんて、ずっと肌に触れるんだからちょっとした違和感でも良くないだろうし。
まぁ私はその十分の一の服で特に問題は感じてないけど。
……私が鈍いだけなんじゃって言われたら否定できない気もする。




