1299:下準備をしていこう。
「では行くとしよう」
「あ、はい」
まぁここでやる訳も無いし、当然私の家でだよね。
立ち上がって園内に向かうアリア様の後ろをぱたぱた飛んでついて行く。
てかこのテーブルはどうするん…… あ、隠密さんが出てきて回収していった。
お仕事お疲れ様です。
どうでも良いけど、あんな物を二人がかりで持ったまま消えるって凄いな……
本当にどうやってるんだろうか。
「あー、アリア様だー。おはよーございまーす」
「うむ、おはよう」
門を開けて奥へ進んで、入り口横のめーちゃんにお迎えされる。
しかし気軽にぺちぺち叩くなぁ、アリア様。
まぁ木の身体だし、強度的にそれくらいでちょうど良いのかもしれないけど。
どうでも良いけどめーちゃんの身長と能力ならずっと見えてたんだから、アリア様たちが来るのは判ってたでしょうに。
「そんじゃー私はモニカさんのお手伝いしてくるねー」
「あ、うん。頑張ってね」
「あーい」とお返事しつつエリちゃんがUターンしていった。
それ別に表の門のところで良かったんじゃないかな。
アリア様、そのまますたすたテーブルまで歩いて行って、流れる様に着席。
やる前に何か話でも有るんだろうか。
「さて、コレット」
「はい」
ん?
なんか若干表面がモフッとした感じで厚めに見える、やや明るい緑色の布がテーブルに敷かれた。
ビリヤードの台に張ってあるやつっぽい質感だな。
ラシャって言うんだっけ?
サイズがぴったりって事は、このテーブル用に用意したんだろうか。
……で、だからそのかなり大きめの箱というか平屋建てのドールハウスみたいなの、どこから出したんですかね。
取り出す動作すらないから面食らうんだよ。
いや、まぁ先に敷いた布の時点でどこからともなく出てきてたけどさ。
それにしても、例によって良く出来たミニチュアだな……
ああやって持ちあげてる状態だと、飛び出した形になってるウッドデッキが折れちゃいそうで見てて怖い。
あれ別パーツで良いんじゃないかな……?
あー、なるほど。
敷いた布にミニチュアのお家をトスッと置くと、緑の起毛が芝生っぽく見えるな。
テーブルの上が丸い敷地の庭付き一軒家と化したよ。
まぁ別パーツで良いだろって思いは変わらないけど。
もしくは逆に、お庭の土台までセットで固定するとかさ。
もっとでっかくなるけど、コレットさんならどうにでもなるでしょ。
「これ、わざわざ新しく用意したんですか?」
アリア様の執務室で見た覚えは無いし、元々持ってたにしてはこのテーブルに合わせたかの様な良い感じのサイズだし。
いや、そっちは単に【妖精】サイズで家を作ったらそうなっただけかもしれないけど。
在庫も道具も私の家に有るんだから、そっちでやれば良さそうなのに。
「うむ。事故の可能性を考えると、その方が良いかと思ったのでな」
「ん? ……あー、うん、はい」
一拍置いて納得してしまった。
最初に比べると減ったとは言え、ちょいちょい死んでるからなぁ。
どうなるか試した事は無いけど、家の中で作業しててそのままの場所で元に戻ったら危ないもんね。
アリア様がなのか家がなのかも判らないけど、どっちにしろ困った事になるのは同じだし。
「あちらは固定されているから難しいが、こちらならば机の方を除けてやれば済むのでな」
「そうですね。……死なないのが一番なんですけど絶対とは言えませんしね」
「うむ」
いくら気を付けてても、一度何かに触れるだけでぺちゃっと潰れるのが【妖精】だからなぁ。
完全に回避してみせますって宣言するのは、私には無理な話だよ。




