1298:予想の付くお願いをされよう。
「ぬ」
ん?
「奇遇だな」
「言い忘れてたならそのまま忘れといて良いんじゃないですかね」
「うむ」
第一声で言ってこっちにツッコませるためのセリフでしょ、それ。
その言い忘れにツッコまされてはいるけどさ。
「それはそれとして」
コレットさんから厚めの布を受け取って脚の上に敷き、さぁ来いとばかりにシェラを見ながらポンポン叩くアリア様。
良いのかなって顔で見てきたので、行っておいでって顔で頷いておこう。
なんか妙な動きをして…… あぁ、クリスに行って大丈夫か聞いたのか。
まぁアリア様なら変に手を出したりしなきゃ大丈夫だろう。
「よーしよし。うむ、ラキもおはよう」
うん、クリスが巻き付いてるのは見れば判るので、刺激しない様にシェラの頭を撫でてるな。
……ラキがクリスの上をだかだか走るのはまぁうん、承知の上だから別に良いんだろう。
「ところで今日はどうしたんですか?」
テーブルまで置いて待機しておいて、暇だからって事は無いだろう。
「少し頼みが有ってな。なに、損はさせない」
「いや、借りてばっかりなんで損させてくれるくらいでちょうど良いんですけど……」
……何をやる気かは知らないけど、これまた借りが増えるやつだ。
「またまたー」みたいな笑いで返事しないでもらえませんかね。
「で、頼みって何ですか?」
よし、頭に「はぁ……」って付けるのは頑張って抑える事に成功した。
「うむ。今日はまとまった時間を作ったのでな」
「はぁ」
「趣味の時間に充てようと思うのだ」
「はい」
と言われても。
いや、うん、大体想像は付くけどさ。
「という訳で縮めてもらいたい」
「ですよね……」
「負担をかけるのは済まないと思うが」
「いえ、それは問題無いんですけどね」
MPなんてどうせだだ余りだし。
維持してるからって減りが速くなる訳じゃないから、ギリギリまで最大値を減らさない限りは普段と何も変わらない。
「それともう一つ」
「何ですか?」
「ラキと、出来ればシルクの手も貸してくれると助かるな」
「あ、はい。良いよね?」
聞くまでも無いと思うけど、一応本人たちにも確認はしておく。
うん、大丈夫だな。
シルクはともかく、ラキを貸してくれってのはまぁ当然か。
アリア様の趣味って事は服とかを作ったりするんだろうし、それをやるには在庫の糸は心許ないし。
別に私も残ってお手伝いしても良いんだけど、それには及ばんとか言われそうだから気にしないでおこう。
なんだかんだで言いくるめられて退散する未来しか見えないし。




