1285:お礼の為に待たれよう。
「お待たせー」
「んじゃ行くか。またな」
「いってらっしゃーい。がんばってねー」
枝を振って激励するめーちゃんに手を振り返し、皆でご飯へ出発だ。
あ、モニカさんの姿が見えないと思ったら、先回りして門を開けてくれてる。
モニカさんにも行ってきまーすと手を振って、市場へ向か……おうと思ったら、脇道のベンチに見覚えのあるちっこい人影が。
たしか、私の服を見てアリア様に会いに行った子だったか。
今日は一人なんだな。
あ、こっち来た。
多分私に用なんだろうし、とりあえず挨拶しとこう。
「おはようございます」
「おはよう。……そちらは?」
「あー、まぁ気にしないでください」
訝し気な女の子の視線につられて後ろを見ると、お姉ちゃんがアヤメさんに羽交い絞めにされてた。
まだ何もやってないよぅって顔してるけど、多分はしゃいで抱き着くくらいするって思われてるんだぞ。
私も同感だ。
「ところで、待ってたみたいですけど何か用でも?」
「あぁ、一応改めて礼を言っておこうと思ってね」
「別に良いんですけど……って、やっぱり遊ばれたんですか?」
よく見たらというか気にしてなかったけど、昨日と違う服というか明らかに質の良い服を着てる。
多分、着せ替え人形にされた挙句に押し付けられたんだろうな。
「ま、そこは良いんだ。数着頂けたしね。それも有ってと言ったところかな」
「あー、まぁそのお礼はアリア様に……と思ったけど十分に言った後か」
「それはそうだろう」
うん、王女様にプレゼントされてお礼の一言も言わない人、そうそう居ないよね。
アリア様が気にしないかもしれないけど、隠密さんからの心証は悪くなりそうだ。
「さて、では用は済んだし退散するとしよう。邪魔をするつもりは無いんだ」
「あ、はい。それじゃまた、機会が有れば」
「ああ。……時間を取らせて申し訳ない」
後ろの皆にぺこりと頭を下げて、そのまま颯爽と去っていく女の子。
こういう言い方は悪いかもしれないけど、相変わらず見た目と色々な要素が噛み合ってないな……
いや、その点は私も割と人の事言えないけどさ。




