1283:忘れ物に気付こう。
「いってきまーす」
お姉ちゃんは朝から無駄に元気だなぁ。
そんなぶんぶん手を振らなくても、相手は目の前に居るぞ。
「はーい、がんばってねー」
「はーい」
「あんたは戻ってくるだろ」
何を頑張るって言うんだ、エリちゃんは。
君は人の奢りでご飯食べてくるだけでしょうに。
あれ?
いつの間にか出口の横にモニカさんが控えてる。
気付かなかっただけで、ずっと居たんだろうか。
「おはようございまーす」
「おはようございます」
深々とお辞儀して皆にも挨拶をしたと思ったら、そのまま存在感が薄くなっていく。
庭師の仕事は有るけど、こっちが出る前に挨拶するためだけに戻って来たんだろうか。
いや、また立ち話を始めて引き留めたりしない様に、気を遣っただけかもしれないな。
……っていうか、一瞬すっごい羨ましそうな顔でアヤメさんのウサ耳見てたな。
自分もやってほしいって事なんだろうか。
……なんか忘れてる様な?
あ、そうか。
「ごめん、ちょっとだけ良いかな?」
「ん? 良いけどどしたの?」
「いや、忘れ物っていうかなんていうか」
めーちゃんにお水とかをあげるの、忘れてたんだよね。
「お手伝い致しますわ」
何も言ってないけど、私の身体の向きとかで察したらしい。
多分カトリーヌさんは気付いてたけど、後でも良いかって感じだったんだろうなぁ。
「私は水を撒きますので、白雪さんは上からどうぞ」
「あ、うん」
それじゃ私は光りつつ、【施肥】で栄養を渡していこう。
「わーい、ありがとー」
「めーちゃんはご飯食べに行けないしねぇ」
「あ、一応モニカさんにも一通りお世話してもらったからー、そこはだいじょーぶー」
おや、流石に抜かりはないのか。
一応めーちゃんも樹木だし、お仕事の対象でも有るとも言えるかな?
「ん、それじゃ追加で栄養あげるのはマズいのかな?」
「んー、多分だいじょーぶかなー? 別腹だよべつばらー」
「……それ大抵後でやっぱり駄目だったよって思う奴じゃないかな。まぁ少しくらいなら問題無いか」
流石にちょっと上げ過ぎたくらいで腐ったり枯れたりはしないだろうし、この身体なら太ったりはせずに縦に伸びるでしょ。
まぁ今でも十分に大きいんだから、それもそれで大丈夫かとは思うけど。




