1269:拡大解釈をされよう。
文句言ってても仕方ないので、とりあえずシルクを召喚だ。
一応ベッドの上に戻って、召喚スペースを確保して、と。
「……なんか機嫌悪いって程じゃないけど、なんか言いたげじゃないか?」
「ん? ……あー、起き上がってから呼んだからかな?」
「どんだけ過保護なんだよ……」
そんなダメじゃないですかーみたいな顔されても困るよ。
私だって一人で起きられるんだい。
「はいはい、次からはちゃんと呼ぶからさ。……ん? 転がれば良いの? うつ伏せに?」
「どうしたどうした」
「解んないけどとりあえず従ってみよう」
少なくとも攻撃とか嫌がらせじゃないのは確かだし、悪い様にはされな……
速攻で全裸にされるとは思わなかったよ。
一枚剥いだだけだけど。
あ、むにっと背中を押された。
「あぁ、伸びなんかしなくても私がほぐしますからって言ってるんじゃないか?」
「んあー……」
普通に返事しようと思ったら、押されるタイミングと被ってなんか気の抜けた声になってしまった。
見てるから判るだろうけど……っていうか何見てんの。
暇なのか? あ、暇なのか。
そこまで時間は無いのは解ってるらしく、手早く済ましてもらえた。
うん、両脇に手を差し込んで抱っこするのは良いんだけどさ。
今の私は裸だし、隣にアヤメさんも居るからね。
流石にこの状況でまでこっちを見てはいないけど。
「ん、ありがと…… ってまだダメ? あ、上の服ね」
いつもの【妖精】用装備を着せてもらってお礼を言ったら、まだ待ってと静止されてしまった。
まぁこっちとしても外にはまともな服を着て出たいから、何の文句も無いな。
「本当に全部やってもらうんだな」
「まぁ普段を見てれば解るでしょ。というかやらせてあげないと泣きそうな顔するんだもん」
「あぁ、そりゃ勝てんな」
……まぁこっちがちゃんと線引きすれば、ある程度は聞いてくれるんだろうけどさ。
特にシルクの場合、私は怒らせちゃいけないって認識になっちゃってるだろうし。
「うん、ありがと。よしよし」
再度お礼を言ってから、頭を撫でてお仕事を褒めてあげる。
体はでっかいけど、撫でられてる顔はやっぱり子供なんだよなぁ。
いや、大きいって言っても【妖精】基準でだけど。
「それじゃ、後はアヤメさんをお願いね」
こっちの準備は出来たから、後は外に出てお姉ちゃん達と合流するだけだ。
魔力を探った感じだと、まだ二人とも来てないっぽいけど。
「それじゃ頼む…… え?」
ん?
「いやいや、私は別にっていうか流石に無理だろそれっていうかお願いってそういう事じゃないだろ」
……なんか左手の上でうつ伏せに寝転ばさせられてる。
シルクの指の方がアヤメさんの胴体よりも太いと思うんだけど、シルクならなんとかなるんだろうか……?
あとお察しの通りそういう事じゃないよ。
「ぐおぉ…… って、なんだこれ……」
「え、何?」
指でむにーっと圧し潰されてるアヤメさんから、疑問だか呆れだかよく解らない声が。
いや、ギリギリ潰れてはいないのか?
「いや、微妙に潰され気味ではあるんだけど…… 一旦崩してから正常な位置に戻されてるみたいな気持ち良さが有って、なんかちょっと怖い」
「あー…… ちょっと無茶な整体って事?」
「平たく言うとそんな感じかな」
確かにって言っていいのか判らないけど、むにって押さえた後に微妙に横の動きが有ったりするな。
あれで正しい位置に直したりしてるのか。
痛みが無くてすぐに元に戻るっていう、あの身体だから出来るマッサージだなぁ。
普通なら痛いどころか多分死んじゃうよ。




