1252:寝床を確認してみよう。
「で、用意してくれたのはあれか」
「あれっぽいね」
机の上に、見慣れない箱……じゃないな。
四方を薄そうな板で囲って、上に透けない程度に薄い布をかけた物が有る。
真ん中が垂れ過ぎない様に、十字に棒を乗せて梁にしてるのか。
相変わらず細かい所にも気を配る人だ。
一辺が私から見て三十センチくらいかな?
アヤメさんのお部屋としては、とんでもなく広い……というか、部屋って言うより平屋の一軒家ってサイズだな。
「ちゃんと出入り口も開けてあるんだな。意味は無さそうだけど」
「あ、ほんとだ」
よく見たら壁の一つに、アヤメさんから見るとかなり大きい穴が開いてる。
大きいとは言っても、人間さんから見たら一センチくらいしか無いだろうけど。
「ちょっとめくってみても良い?」
「そりゃ構わないけど、別に許可取る必要は無くないか?」
「いやほら、仮にとはいえアヤメさんに用意された物だし、一応ね」
私の部屋に配置されてはいるけど、アヤメさんの為の品だからなぁ。
聞いておいた方が無難なところだろう。
ん、シルクの手が横に来た。
ついでだからアヤメさんも一緒に見るつもりっぽいな。
コレットさんに抜かりは無いと思うけど、崩れたら怖いので布の端を持ってそーっと持ち上げる。
……んん?
「なぁ」
「うん」
言いたい事は解るぞ、アヤメさん。
「私には靴が置いてある様にしか見えないんだけど」
「うん、私にもそう見えるね」
だよね。
これは誰がどう見ても、ベッドとかじゃなくて【妖精】サイズのパンプスだよね。
なんか左足のつま先側に綿が詰まって布が置いてあるけど。
やや緑がかった綺麗な水色で、状況を考えなければ割と可愛く見える。
材質は木……なのかな?
【妖精】のサイズに合わせた革なんて無いだろうし。
ヒールが結構高めで、ハイヒールって呼ぶか微妙なラインだな。
半端に箱の高さが有ると思ったら、これのせいか……
しかもこれサイズを見る限り、多分私に用意された靴だよね。
普通のサイズよりちょっとデカいし。
……多分服と同じで、履いてみたらなぜかぴったりなんだろうな。
測られた覚えも無いのに。




