1250:設備を気にしよう。
「それじゃ頼む」
おっと、アヤメさんが出発してるし私も行かなきゃ。
あっちは加速に少し時間がかかるから、先回りして玄関を開けてあげよう。
別に上から直接入っても良いんだけど、まぁ一応ね。
おや、ぴーちゃんが先に到着して…… 自分の羽を見て「ちぇー」って顔してる。
足でなら開けられるだろうけど、シルクに叱られそうだもんね。
うん、仕方ない。
……と思ったら、ドアがちょっとだけ開いたぞ?
あぁ、クリスは飛べないから中でお留守番してたのね。
「ぴゃー」
一度開きさえすれば羽でも動かせるので、ぴーちゃんが引き継いでドアを開いてくれた。
お仕事が出来て嬉しいらしく、こそっと顔だけ出してるクリスの頭をなでなでしてるな。
うむ、なごむ。
というかかわいいなーって見てないで、私がやろうとした事を代わりにやってくれたわけだし、私も二人を褒めてあげよう。
些細な事でも感謝の気持ちは忘れない様にしないとね。
「ところでさ」
「ん?」
ホールに入ってドアを閉めて、吹き抜けを上昇し始めた所でアヤメさんに声をかけられた。
「こうも飛べない客を呼ぶんだったら、階段とはいかなくても何か付けた方が良いんじゃないか?」
「んー、まぁ確かに」
ラキやクリスみたいに飛べない子も住んでる訳だしなぁ。
……ラキは普通に壁を歩けるし、クリスは上ににょろって伸びるだけで次の階に行けるだろうから、現状はあんまり問題無いけど。
「どこか適当な所に、梯子でもくっつければ良いのかな?」
「それで良いんじゃないか?」
柱を一本立てておくだけだと、下りはともかく上りが大変だしね。
いや、下りも下りで割と怖いか。
滑り降りると手とか熱そうだし。
「まぁ梯子が有っても、このサイズじゃ無理だけどな」
「うん」
棒と棒の間どころか、棒の太さと身長が大差ないってくらいだろうし。
あ、縦の棒に細かく等間隔で溝でも掘っておけば、クライミングの要領で登る事は出来るかもしれないな。
かなり遠いだろうけど、小さすぎるおかげで疲れたら横棒の上で転がって休めるし。
……でも階段と同じで気を付けないと、通常サイズの人が居る状況だと気づかれずに踏み潰される可能性が有るな。
いや、この家に居られる時点で「通常」ではないか。




