1247:こっそり用意されよう。
「さて、それでは引き上げるとするか」
「あ、はい」
指でくりくりとシェラの頭を撫でながら、こっちを見て言うアリア様。
どうでも良いけどしゃがみっぱなしで辛くないのかな?
まぁ多少は大丈夫か。
ん? あぁ、なるほど。
コレットさんがお茶を片付け終わるのを待ってたのか。
……と思ったら、まだなんかちまちまやってる。
あれ私たちの部屋が有るフロアだな。
プライバシーとはって一瞬思ったけど、メイドさんってそういうものだったか。
……いや、でもあの人はよそのメイドさんだよね。
まぁ別に見られて困る様な物は無いし、色々設置してもらったりもしてるし今更か。
そもそも開けて何かをしようと思ったら、同じフロアの別の部屋も全部見えちゃう仕組みだし。
とはいえ何をしてるのかは気になるし、一応聞いておくか。
「えっと、コレットさんは何を?」
「アヤメ様の寝床の用意をと」
「……そこ、私の部屋じゃないですか?」
「はい。アヤメ様の大きさでは、お一人での移動は難しいかと思いましたので」
「あー、まぁそれはそうですね」
ドアを開けるどころか、テーブルとかに置かれてたらドアにたどり着くのも一苦労だろうね。
いや、普通に考えたら、降りられない様な場所には置かないか。
「……どうせ移動しなくないか?」
「うん」
部屋を出られても、階段が無いから飛び降りたりしないとフロアの移動も出来ないし。
というか移動する意味もあんまり無いし。
元の……というか【妖精】サイズなら、まだ無くも無いのかな?
普通の人でも使えるお風呂は有るし、地下……じゃないけど一階に行けば、色々と訓練とかも出来るし。
「簡素ではありますが、衝立も用意させていただきました」
「あ、はい」
「一応、気は遣ってくれはするんだよな……」
「恐れ入ります」
方向性にちょっと疑問が出るだけで、一応っていうかちゃんと気遣いはしてくれるんだよね。
方向性に疑問が出るだけで。
あと当然の様にアヤメさんの声を聞き取るんだな。
あそこまで離れてたら私でも聞こえないと思うんだけど、まぁあの人だもんね。
……ステータスとかスキルとか見てみたい気もするけど、どう考えても見なけりゃ良かったってなるやつだよね。
というか、知ってはいけないタイプの怪談と同じ様な扱いになる気がする。
メイド兼護衛って職業柄、機密的な意味も有るだろうし。




