1244:さっきまでの姿を再確認しよう。
蹄をふきふきしてもらい、ころんと起きてお礼のすりすり。
やっぱりちょいちょい動物っぽい動きをするなぁ。
……あ、踏んだ所は自分で拭いてねって布を渡されてる。
あれは逆らっちゃダメな笑顔だな。うん。
ん、背後で着地音が。
余所見してる間に実体化が終わったか。
「む…… まだ少し慣れぬな」
アリア様がちょっとだけふらついたな。
まぁ前の時より更に倍率の差が大きいから、無理も無いだろう。
コレットさんは当然綺麗な姿勢のまま微動だにしてないけど。
「大丈夫ですか?」
さっきまでと違って、転んだらちゃんと怪我をする身体だから気を付けてもらわないとだよね。
コレットさんが居るからそうなりはしないだろうけど、万一って事も有るし。
いや、まぁシルクがお仕事飽きたーとか言いだすくらいには低い確率だろうけど。
「うむ、問題は無い」
腕を曲げ伸ばししたり地面を見つつ足踏みしてみたりで、割とすぐに持ち直したらしい。
まぁ一時的なものだし二度目だしで、そうかかりはしないか。
「ふーむ」
「うお怖っ」
アリア様がアヤメさんを見て、そっとテーブルの横についた。
アヤメさんから見れば目から上と添えた手しか見えてないけど、それでも大きすぎるからなぁ。
小指一本ですら電車と同じくらい有りそうだし。
というかテーブルに手を乗せてる割にアヤメさんの足下はなんともなかったみたいだし、無造作に動いた様に見えてかなり気を遣ってくっついたんだな。
相変わらず変な所で凄い。
「こうして見ると、本当に小さくなっていたのだなぁ」
「こっちは逆に、ラキくらいのサイズから見たら人間ってこんなにデカいんだなって感じですけどね」
アリア様から見れば五ミリくらい……幅に至っては正面からでも一ミリ程で、横を向いたら更にその半分くらいか。
そこまで差が有ったら、意識から外れてたら全く気付かないだろうな。
実際、普段普通に生活してるだけで、気付かずに踏んじゃってる虫とかも一杯居るんだろうなぁ。
……後だとあんまり気付きたくは無い気もするけど。
あとアヤメさんの声は全く聞こえてないと思うけど、多分それは解ってて言ってるっぽいから気にしないでおこう。
「ふむ」
「いやいやいやマジで怖いですって」
……アリア様、なんでスッと指を出したんだ。
別に触る気は無いみたいだけど、当たらなきゃ良いってものじゃないだろう。




