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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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1242/3915

1242:なんか力説されよう。

 ん、なんか中でもぞもぞ動いてる。

 狭い中で快適な姿勢でも探してるんだろうか。


 ……いや、なに人の手をくすぐってるんだ。

 くすぐってるっていうか、これ掌紋の溝に指をひっかけて、掘るみたいになぞってるのか。


 あのサイズからだと、線一本の幅が二センチくらいなのかな?

 まぁうん、引っ掻きやすそうな間隔ではあるな。


 何がしたいんだとは思うけど、そもそもこの状況自体がそうだし、その辺は気にするだけ無駄なんだろう。




 ん?

 なんか聞こえた様な……って中から指をぽんぽん叩いてる感触がするな。

 もう良いぞって合図か。


「開けますんで転がらない様に気を付けてくださいねー」


 一応忠告してからゆっくりと手を開いていく。

 まぁ開くときの動きを考えれば、危ない事はそんなに無いだろうけど。



「ふう、危ない所であった」


「え、どうしたんですか?」


「いやなに、あまりに快適なものでな。危うくそのまま寝る所であった」


「……それは確かに危ないですね」


 主に私の腕がだけど。


 あと動けないから【浮遊】を維持し続けるMPとかもね。

 一番問題なのはログイン時間……よりもそれに付き合わされるアヤメさんか。



「しかし、そんな良いもんですかね」


「うむ」


 ……仁王立ちで腕を組んで胸を張って、これ以上なく堂々と同意されてしまった。

 これちょっと揺すったら怒られるかな。やらないけど。


「というかだな」


「はい?」


「【妖精】に触れているという事を抜きにしても、少なくともこの身体であれば、快適な要素ばかりだぞ?」


「……そうですか?」


「うむ。多少は自由な姿勢を取る事が出来る適度な狭さに、隙間から光が僅かに入ってくる程度の薄暗さ。そして柔らかく温かいベッドに、僅かに感じる周期的な鼓動と血流の音。安眠を促す要素の塊ではないか」


「……良い要素だけ上げればそうかもしれませんけど」


 まとめて言われても頭に入んないよ。


 というかあのサイズからだと、別にそんなに柔らかくないんじゃない?

 いや、でも【妖精】の手だしなぁ……

 よくわかんない生き物だし……



「本来ならば問題になるであろう換気や温か過ぎるという事も、この身体であれば無視出来る要素であるしな」


「あぁ、なるほど……」


 言われてみれば、いくら末端とはいえ握ってる手の中なんて、本来なら快適な温度とは程遠いだろうな。

 掌から出る水分とかも考えたら、高温多湿にも程が有る環境だろう。



 ……ん?

 手汗…… うん、さっき多分ちょっと舐められたな。

 なんか顔の有るであろう辺りで変な感触してた気もするし。


 私は給水所でもご飯でも無いんだから、もうちょっと遠慮してほしいところなんだけど。




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