1241:直前でも変な要求をされよう。
ラキみたいにまともな強度が有ればなでなで出来るんだけど、まぁそれは私も人の事は言えないので諦めよう。
……この世界での【妖精】人気を考えると、触って大丈夫な強度が有ったらえらい事になりそうだな。
そういう意味では、逆に助かってるのかもしれない。
さて、アヤメさんを降ろしたシルクが少し離れた位置に戻ってきたので、さっそく解除するとしよう。
「それじゃ、解除しますね」
「む、少し待て」
「ん? 何かありましたか?」
……また変な事を思いついたんじゃなかろうな。
問題は特に無かった筈だし、その可能性は高そうだけど。
あ、なんかごろっと横向きに転がった。
これ確実に変な事の方だな。
「では軽く握るが良い」
「……潰さない様に空間を空けてって事ですね?」
例えが悪いかもしれないけど、虫とかを捕まえるみたいに包めば良いんだろうな。
何がしたいんだと言いたいところだけど、接触を好む体にしてるのはこっちだから文句も言いづらい。
「うむ。なんなら言葉通り握ってくれても構わんがな」
「残念ながらこっちは構いますんでね」
「むぅ」
事あるごとに潰させようとしないでくれませんかね。
実害が無くても、少なくともこっちの感覚的には問題が有るんですってば。
「んじゃ動かしますんで、変な所に挟まったりしない様に気を付けてくださいね」
「うむ」
指を内側に曲げる動きだから、深い溝になるというか手の平のお肉が重なる所が有るだろうし。
この横向きの二本って何て言ったかな?
感情線と知能線だった様な気がするけど、手相なんてうろ覚えだしなぁ。
レティさんが居れば即答してくれるんだろうけど。
まぁそれはどうでも良いとして、とりあえず口で言っておけば、アリア様はわざと挟まれたりする事は無いだろう。
ぼかさずにちゃんと返事してくれたしね。
挟まれそうになったら回避できるように、ゆっくりゆっくりと手を握っていく。
うん、ちゃんと避けてくれてるな。
そーっと握って親指も横に当てて、小指側だけに穴の開いた空間が出来上がった。
……のは良いんだけど、これどれくらい握ってれば良いんだろうか。
まぁ多分、中から声をかけるなり動作で合図するなりしてくるだろう。
あ、どうせ待つならなのかシルクから提案したのか、コレットさんも同じ事やってもらってる。
向こうは私より大きいから、同じ動きでも中は比較的広々してそうだな。
でも『お友達』状態の人的には、むしろ狭い方が良いのか?
その辺は体感しようが無いから良く解らないというか、そもそもあっちは【妖精】相手じゃないから関係ないかもしれないけど。




