1225:早速飲み込まれよう。
「あー、うん。毒を食らわばって言うし、気にせずにやっちゃって良いよ」
ほんとにいいのかなって顔をしてるシルクに、アヤメさんが手を振ってオッケーを出してる。
まぁさっき諦めてるって言ってたしね。
「遠洋に出る事は無くとも、湖や近海を探索する事が有るかもしれんからな。何事も経験だぞ」
「まぁゼロでは無いんでしょうけど……」
うん、絶対に無いとは言い切れないけどさ。
足の付かないところを泳いで探索する事になった上で、渦を起こす様な攻撃をしてくる相手と戦う可能性ってどれだけ低いのかと。
というかアヤメさんだけ残っても結局ダメそうな気もするし。
いや、まぁ対応できる様になってれば、一人くらいは救助して抜け出せる可能性が有るけどさ。
……どうでも良いけど、なんかレティさんはなんだかんだで渦に対応しそうな気がする。
いや、流石に無理だろうけど、なんとなく。
「という訳でシルク、適当に渦を起こしておいてくれれば、後はこちらで勝手に遊んでいるから気にせずに離れて良いぞ」
シルクがアリア様の言葉にこくりと頷いて、ゆっくり回してた手をだんだんスピードアップしていく。
しかし適当にって言っても、カップから零れない程度の勢いが限界だからそこまで凄い渦にはならずに済みそうだな。
……アヤメさんはもう既におわーって言いながら真ん中で回されてるけど。
何故丁度釣り合いの取れる位置に居てしまったんだ。
おー、だんだん水面が変形してきた。
これ以上角度が急になると、私からだと底は見えなくなるな。
……というかアヤメさん、流れに飲み込まれて沈んだっぽい。
しかしコレットさん、やっぱり水面に立てるんだな。
ただの水面どころか渦の表面で、涼しげな顔で微動だにしてないや。
あ、なんか外の方を沈んだアヤメさんが流されてるのが見え……たと思ったら、かき回してるシルクの指に撥ねられた。
あれ暫くは復帰出来なさそうだな。
まぁ柔らかくなったまま水流に引き延ばされてえらい事になっても、放っとけば治るからね、うん。
ん、コレットさんがなんかしゃがみこんで水面に手を当てた。
おー、アヤメさんがくるくる流されながらだけど、ちょっとずつ内側のコレットさんに近付いていってる。
水属性の魔法とかで流れを操ってるのかな?
……実はシルクにやってもらわなくても、コレットさんだけで渦を起こせたんじゃなかろうか。
ああいう魔法が無くても、無茶苦茶な動きで何とかしちゃいそうな人だし。




