1203:指導してもらおう。
「うむ、よく見て参考にするが良い」
ん?
あぁ、シルクが見てるのか。
参考にっていうのは、押さえる所とか強さとかだよね。
シルクに思いっきり踏まれたら、多分私死ぬだろうし。
いくら小っちゃい子とは言っても倍近いサイズだからなぁ。
同じスケールなら三十キロくらいだったとしても、八倍すれば余裕で二百キロオーバーか。
しかも家の中だとパワーが人間クラスだから、踏み込みの威力は更に桁違いだろうしね。
……普通に乗られるだけでも骨が折れそうだけど、ドンって行かれたら破裂しかねないな。
まぁそれ本当にやったら、家具や家自体にダメージが入りそうだけど。
しっかり作られてるとはいえ、あくまでも【妖精】基準だしね。
流石にそろそろ苦しくなってきたな。
ゆっくり吐いて吸い直すとしよう。
お、吐き始めたのを一瞬で察知して止まってくれた。
流石の気遣いだな、コレットさん。
まぁ安定してた地面が下がって行ってるんだから、コレットさんじゃなくてもすぐに判るか。
そこで即座に止まれるかは別だけど。
ふーっと吐いて、すーっと吸って。
肺が一杯になる手前で止めておく。
吸い過ぎると普通にしてても出てきそうになるからね。
ん、止めたけど次が来ないな。
「はい。もう少しこちらへ…… はい、そこですね」
……んん?
「では触れてみてください。シルク様の大きさからすれば僅かなものですが、指先に感覚を集中すれば感じ取れるかと」
おふっ。
……なるほど、ついでにシルクにマッサージの指導ね。
急にでっかい指に押さえられて、声が出るかと思った。
「次はこちらですね」
見えないから魔力で探ってみると、コレットさんがシルクの指に付き添って教えてあげてるっぽい。
シルクの指先から最初の関節までに収まっちゃいそうなサイズ差なのに、よく普通に同行出来るな。
……うん、コレットさんの打撃とはまた違った感覚だけど、やっぱり気持ち良いな。
油断してるとこのまま寝ちゃいそうで危ない。
ある意味文字通りに手探りだから、単に押さえられたって感じの時が有るのが逆に幸いなのかもしれない。
まぁ寝ちゃったとしても、多分ちゃんと起こしてもらえるから大丈夫だろうけど。




