1195:また何かやらされよう。
さて、それじゃ……
「よし、それではあそこに伏せるが良い」
「はい?」
指差す先は…… マッサージ台か。
今度はなんだというのか。
いや、まぁさっき終わったって言ったのは小さいままで居る必要のある事がって意味なのは解るんだけどさ。
「良いですけど…… 何をするんですか?」
「なに、大した事ではない」
「こう言っちゃ何ですけど、アリア様のそれって私にとっては大した事な場合が多いんですよ」
「ふむ」
まぁそうだろうなって頷いてる辺り、やっぱり半分くらいは解った上で遊ばれてるな。
いや、さっきもそう言ってたけど。
「せっかくこの大きさのままで居るのだから、それを活かした礼をしてやろうと思ってな」
「いや礼って何のですか。むしろこっちが……」
「はっはっは、皆まで言うな。それも含めての事なのだ」
「はい?」
どういう事だろうか。
礼をするのかされるのか、なんなんだ?
というか小ささを活かした礼って何だろう。
「ま、やれば解るさ。少しくすぐったいかもしれんがな」
「不安しか無いんですけど…… まぁはい、解りました」
これくすぐったいって事は、確実につんつんされるやつでは。
別に痛くされたりする訳じゃないだろうから、諦めて素直に従うけどさ。
「あ、運んだりしなくても大丈夫ですか?」
「うむ、問題無い」
ん? 私の後ろを見て言った?
あ、シルクが音も無く帰ってきてた。
いや、基本的にほぼ無音だけど。
一瞬カトリーヌさんと何やってたのか訊こうかと思ったけど、止めといた方が良いんだろうな。
あの人が関わってる事って半分くらいは「え、あぁ、うん……」って感じになる気がするし、そっとしておこう。
いや、結構偏見気味だけど。
まぁそれは良いとして、大人しく偉い人に遊ばれるとするか。
「伏せましたけど…… とりあえずじっとしてれば良いんですか?」
「うむ。あぁ、翅を畳んでおいてくれ」
「あ、はい」
無造作に広げてた翅を、背中に沿うようにぱたんと閉じておく。
……密着させたら体が鱗粉まみれになりそうだから、一応隙間は開けておこう。
「では、後は力を抜いていてくれれば良い」
「抜いてられれば良いんですけどね……」
くすぐったいとか言ってたし、どうせ動くの我慢する羽目になるんでしょ。
解ってるんだぞ。
というかなんでアヤメさんまで一緒にシルクに乗って来てるんだ。
……まぁ多分、アリア様にやらされてるってのと私をからかって遊ぶってのの半々って感じだろうな。
「なに、慣れれば恐らく気持ち良いだろうさ」
いや、何されるのかは知らないけど少なくとも慣れてない事は解るし、それだから現時点では困るんだってば。
言ってもやらなきゃ慣れないから仕方ないとか言われそうだけど。
……あと恐らくって何さ、恐らくって。




